時々思いついて書く映画の感想

2009

 

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01/09 佐藤嗣麻子監督『K-20 怪人二十面相・伝』
01/13 ターセム監督『落下の王国』
ニール・バーガー監督『幻影師アイゼンハイム』
01/21 ギレルモ・デル・トロ監督『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』
02/12 游乃海ヤウ・ナイホイ導演『跟蹤 eye in the sky 天使の眼、野獣の街』
02/13 堤幸彦監督『20世紀少年 第2章 最後の希望』
02/19 マーク・フォースター監督『007/慰めの報酬』
03/26 李港仁ダニエル・リー導演『三國之見龍卸甲Three Kingdoms: Resurrection Of The Dragon三国志』
03/27 『ノルシュテイン・エイゼンシュテインの"イワン雷帝"を語る』@ラピュタアニメーションフェスティバル
04/17 ザック・スナイダー監督『ウオッチメン』
04/22 程小東チン・シウトン導演『江山美人 エンプレス 運命の戦い』
04/23

呉宇森ジョン・ウー導演『赤壁II 決戦天下 レッドクリフPartII未来への最終決戦』

05/12 爾冬陞イー・トンシン導演『門徒 プロテージ/偽りの絆』
05/13 葉永健イップ・ウィンキン導演『功夫廚神 カンフーシェフ』
05/14 ダリオ・アルジェント監督『サスペリア・テルザ 最後の魔女』
05/15 田崎竜太監督『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイドNEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』
05/28 爾冬陞イー・トンシン導演『新宿事件 新宿インシデント』
06/02 平川雄一朗監督『ROOKIES -卒業-』
06/03 J・J・エイブラムス監督『スター・トレック』
06/04 陳 可辛ピーター・チャン導演『投名状 ウォーロード 男たちの誓い』
06/05 プラッチャヤー・ピンゲーオ監督『Chocolate チョコレートファイター』
07/10 マイケル・ベイ監督『トランスフォーマー リベンジ』
07/11 三宅隆太監督『呪怨 白い老女 安里麻里監督『呪怨 黒い少女
07/28 岩本仁志監督『MW-ムウ-』
08/26 摩砂雪 、鶴巻和哉監督『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
08/27

ボブ・レターマン、コンラッド・ヴァーノン監督『モンスターVSエイリアン』

08/28 陳木勝ベニー・チャン導演『保持通話 コネクテッド』
08/28 金田治監督『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー大ショッカー』
中澤祥次郎監督『侍戦隊シンケンジャー銀幕版 天下分け目の戦』
08/29 スティーヴン・ソマーズ監督『G.I.ジョー』
08/30 デヴィッド・イェーツ監督『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
09/07 ピエール・モレル監督『96時間』
09/08 金 知雲キム・ジウン監督グッドバッドウィアード 風塵三侠決戰地獄門』
10/02 堤幸彦監督『20世紀少年最終章「ぼくらの旗」』
10/03 川崎徹広監督『風来忍法帖』(1965)
川崎徹広監督『風来忍法帖 八方破れ』(1968)
10/04 長谷川安人監督『忍法忠臣蔵』(1965)
10/23 劉鎮偉ジェフ・ラウ導演『機器侠 カンフー・サイボーグ』
10/30

崔洋一監督『カムイ外伝』

11/11 サム・ライミ監督『スペル DRAG ME TO HELL』
11/14 『遺品 未解決事件流出証拠検証記録』
11/27 鄭保瑞ソイ・チョン導演『意外 Accedent』
11/29 ケニー・オルテガ監督 『Thisi is it』
11/30 石井てるよし監督 『あばしり一家』
12/15 田崎竜太監督『仮面ライダー×仮面ライダー W(ダブル)&ディケイド MOVIE大戦2010

佐藤嗣麻子監督『K-20 怪人二十面相・伝』

実写映画版『魍魎の匣』では
ちょっと無理があるように思えた上海ロケが
この映画ではぴたりとはまってて、
そこだけでなく九州の炭坑あとのロケも
CGの町並みも違和感なく。
それにも増してキャスティングが実に適材適所、
話の上でもすごくいいバランス。
実に爽快な気分で館を出て行けると言う
新年一発目に見るのにふさわしい映画でした。
仲村トオルのコミカルな演技なんて、久しぶりに見たなあ。

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ターセム監督『落下の王国』
ニール・バーガー監督『幻影師アイゼンハイム』

新文芸座で二本立てで鑑賞。
何が驚いたって、休日だからなのか観客席が一杯で、
パンフまで売り切れてた事。
なので画像も表の看板です。
どちらも映像はきれい。

『落下の王国』は想像するお話の世界が特に。
世界中の世界遺産でロケしててその効果は絶大。
が、現実世界の方が辛くなってくると
想像の方もしおしおになって行って、
物語のテンション下がっちゃうんですよ。
一応ラストだけきれいにまとめるけどね。

『幻影師アイゼンハイム』は、
エドワード・ノートンが(また)人をだます映画
としては良い出来なんだろうと思うけど、
同じ様な時代、題材の『プレステージ』の
バカさにはかなわない。
ラストもそうくるだろうと期待した通りなんだけど
そのためには途中の仕掛けがミステリ的に
甘いんでないでしょうか。
二本立てでちょうど良かったかな。

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ギレルモ・デル・トロ監督『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』

この監督のは『クロノス』こそ見逃してるものの『ミミック』
『ブレイド2』『デビルズ・バックボーン』『パンズ・ラビリンス』と、
ちゃんと劇場で見てるのになぜか見逃してたのが『ヘルボーイ』一作目。
先日やっとケーブルテレビ放映のものを見て、立て続けな感じで今作。
前々から世界一の地下映画監督と思ってたのに、
今回はニューヨークとアイルランドの2カ所に地下、もうやりたい放題。
なんかもう『妖怪大戦争』なかんじ。
続きも作られるのかな、『ホビットの冒険』の方が先かな、
デル・トロがプロデューサーの『永遠のこどもたち』も見に行ってみようかな。

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游乃海ヤウ・ナイホイ導演『跟蹤 eye in the sky 天使の眼、野獣の街』

ろくに脚本のないまま映画撮る杜[王其]峰ジョニー・トー組で
長い間脚本家としてスタッフだった人
(と言うことは一体何やってたのかよくわからない)
の第一回監督作品と言うことで一体どんなもんだろーと思ったら
これがあーた大当たり。
香港警察情報科監視班のすごい動き、裏をかく強盗団、それぞれボスは
任達華サイモン・ヤム(今回は一見地味なさえないおっさん風)
梁家輝レオン・カーファイ(すごく鋭く風格もありなおかつ凶悪冷酷)
この二人の対決も見物とはいえ
主人公は新人女性捜査官しかもぱっと見た目ちょっと地味な女子大生、
と言うのが大変いいバランス。
監視がメインだから望遠レンズを駆使したカメラワークに
荒っぽ用にも見せる編集が
よく見る香港の中心部まっただ中で
リアルな緊張感もたらしていいすよ。

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堤幸彦監督『20世紀少年 第2章 最後の希望』

かなーり原作まんまだった印象の前作に比べると
飛ばし気味なテンポで雑多にエピソードが消化されてくのが
荒っぽい感じもするけど、中年組がちょっとひっこんだかわりに
物語を引っ張って行く女子高生のカンナと小泉響子が実にいいので
そんなことはどうでもいいやとなりますよ。
CMでもおなじみの邪悪な太陽の塔が目立つ新万博会場、
70年当時のサンデー、マガジン、ジャンプ含め当時のものがずらりとならぶ
トモダチ博物館などの舞台も含め原作再現度はまた高い。
一見地味だけど、巨大爆発から15年後の新宿付近も実はいいビジュアル。
エンドクレジット後の予告編を見させるために、
画面隅にカウンターつけると言うのが大笑い。
何はともあれ完結編が楽しみです。

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マーク・フォースター監督『007/慰めの報酬』

とーっても評判の良かった前作を未見のまま鑑賞。
いや、事前にDVD借りてこようとは多持ってたんですけどね、
なんかめんどくさくて。
いやーでも面白かった。
アップ多用で細切れ編集のアクションは
何が起きてるのかわかりにくいのは惜しいけど、
冒頭のカーチェイスにつづいていきなりの撃ち合い、
人間のお追っかけ肉弾戦、狭いホテル内の格闘、
ボートの水上戦、オペラ劇場でのサスペンス、
さらになんと空中戦はDC−3ダコタでなんてもー、あーた。

これだけテンポ早く進んでもリアル目な感じに見えてるのは
何より主演のダニエル・クレイグによるところ。
ほとんど感情を表に出さないまま
いろんな内面の深さを感じさせてるのがグー。
主人公がリアルめなので、敵も。
敵の組織はいつまでもかなり謎で得体が知れないし、
その組織自体と戦ってると言うより、
何が悪か正義かわからない世界を相手にしてるのかー。
なのでボスもゲームのラスボスめいた異様なキャラクターでなく
石井喧一と佐々木蔵之介と張達明チョン・ダッメンを
足した様な感じなのがいかにもいそうな人物でなるほどですよ。
前作もちゃんと見なくちゃだけどもう次回作が楽しみ。

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李港仁ダニエル・リー導演『三國之見龍卸甲 Three Kingdoms: Resurrection Of The Dragon 三国志』

劉徳華 アンディ・ラウが趙雲役、
劉備軍に入隊したときからその晩年までを描く、
と言うことで邦題にある様な大きな広がりを期待しちゃあいけません。
白髪の劉徳華 はちょっと國村隼みたいでそれはそれでかっこいいけど、
語りは同郷の出身で兄貴分役。
強くなくて気がちいさくて出世できない人を
洪金寶サモ・ハン・キンポーが演じる訳で、
他が強いかっこいい人ばかりいる中で芝居でかっさらって行くんですよ。
映画としちゃあそれもありで悪くはないんどころかすごくいいんだけど、
ないものねだりで狄龍ティ・ロンの関羽と並んで
張飛で活躍してもらいたかったよーな気も。
安志杰アンディ・オンもよかったな。

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『ノルシュテイン・エイゼンシュテインの"イワン雷帝"を語る』
@ラピュタアニメーションフェスティバル

フェスティバルでは普通にエストニア特集とかノルシュテイン特集とか
アニメが上映されてる中でアニメではないものだけ見てきました。
前に講義としてやったものの記録ビデオを編集したもの。
絵画的な構図、演劇的構造、音声と音楽の関係など
ていかに抽象的な意味に現実を肉付けすることによって
映像が成立していってるかを解析。
『アニメーションは映画たりうるか』なんつー
『推理小説は文学たりうるか』的議論が
前にどっかであった様な気がするけど、ここで講義されてたのは
『映画はいかにアニメーションであるか』ということ。
と言う訳で内容的には大変面白くわかりやすいものなれど、
ほとんどがノルシュテインの横顔の画面が続くと言う編集は
もうちょっとどうにかならんものかと。

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ザック・スナイダー監督『ウオッチメン』

この監督の前作も原作も未見。
どうやらかなり原作に忠実に作られてる評判。
その点ではよく出来てるらしいのだけど、語り口やテンポの面で好みから外れ。
ストーリーが進んでもなんの感情もこっちにもたらさないんで。
『シンシティ』見たときみたいな感じだったなあ。
話はまあいいんで、3分の2くらいに編集したら面白いかも。

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程小東チン・シウトン導演『江山美人 エンプレス 運命の戦い』

『レッドクリフ』大ヒットのおかげか、劉徳華アンディ・ラウ『三國之見龍卸甲』だけでなくこっちも公開中。
来月には『ウォーロード』もあるし、いい時代になったなあ。
ま、今作は亡き王の跡を継いだ王女の陳慧琳 ケリー・チャン と忠実な将軍甄子丹ドニー・イェン、
森に住む謎の人黎明レオン・ライという配役で察せられるストーリーまんまというある意味ひねりもない、
といっちゃ身も蓋もないけどとにかくそういうことで、その分期待を裏切らない出来。
甄子丹は人間としちゃあめっちゃ強いし、
(『レッドクリフ』の関羽や張飛に比べると地味っぽいけどあっちが超人過ぎるだけだから)
陳慧琳 はもう強いとこも気丈なとこも可憐なとこも全開でいうことなしでしょう。
とくにねえ、どっかから昔の少女漫画チックになってって黎明のデートなんか、なんと熱気球ですよあーた。
史実に忠実なものでもないので、甲冑がやたらかっこいいのもポイント。

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呉宇森ジョン・ウー導演『赤壁II 決戦天下 レッドクリフPartII未来への最終決戦』

あーもう2時間半全部名場面集。
味方側全員見せ場ありどころか曹操までかっこいいもんなあ。
ケレン味たっぷりで緩急自在、このダイナミズムこそが映画。
いうことなく満腹。

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爾冬陞イー・トンシン導演『門徒 プロテージ/偽りの絆』

8日までシネマート六本木で開催中だったイー・トンシン映画祭でこの一本だけ見ました。

簡単に言うと、「麻薬はいかん」という映画。

スチールでは主役っぽく写ってる劉徳華アンディ・ラウは密売人の親玉で
根性の曲がったダメなやつ。しかも糖尿病で腎臓も悪い。
その組織にいる潜入捜査官が主人公・呉彦祖ダニエル・ウー、
その向かいの部屋にすむ子連れの女・張靜初チャン・チンチューがヤク中で、
彼女が登場するこの映画の2カット目からもう救いのない雰囲気。
その夫古天樂ルイス・クーがまた見事にどうしようもないクズ男。
警察関係もヒーロー然としてない普通の人なので、普通にダメな面があるし、
税関捜査官の廖啓智リュウ・カイチーが功を焦ってやり過ぎで
痛い目(ほんとに痛いのよこれが)にあうし。
呉彦祖も心が壊れていくし、
とダメ人間ばかり出てくるもう重くてすごい映画ですよ。
香港に限らず人間と社会の闇を描いた秀作。

でも一番ショックなのは袁咏儀アニタ・ユンがすっかりおばさんになってたことかも。

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葉永健イップ・ウィンキン導演『功夫廚神 カンフーシェフ』

これまた単館公開でパンフなし。

5,6年前に香港映画に開眼してから
新作でも旧作でもみるものほとんどすべておもしろく、
よほど水があうのか他の国のものなら苦手でまず見ない恋愛ものでも
系統としては苦手なはずの王 家衛ウォン・カーウァイみたいなのでも
楽しく見られたもんですが、今回はハズレ。
ひょっとしたら初めてハズレじゃないのか。
なんかねーエピソードつながらないしテンポ悪いしギャグ滑るし
主演の呉建豪ヴァネス・ウーは髭生えてて川男みたいだし
元モー娘。のヒトはロリ顔なのにおばさんくさくて好みじゃないし
洪金宝サモ・ハン・キンポーはがんばってて
梁小龍ブルース・リャンと兄弟だったりするのはすごいとこなんだけど、
それだけでは映画は救えません。
一応このジャンルだと周星馳チャウ・シンチー『食神』とか
張國榮レスリー・チャン『金玉満堂~決戦!炎の料理人』なんて傑作があるわけで、
比べるのは酷というものだけどそれにしても何とかならんかったのかこの監督。
残念。

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ダリオ・アルジェント監督『サスペリア・テルザ 最後の魔女』

『魔女三部作』30年ぶりの完結編だそうで。
と、いわれても一作目が『サスペリア』というのはわかるけど
二作目が『インフェルノ』というのはすぐ出てこない、
というよりそれどんな話だっけ位の薄い認識で鑑賞。
往年に比べ原色ライティングこそないものの後はまあ相変わらずというか
進歩ないというか健在というかワンパターンというか、
とにかく間違いなくアルジェント映画。
いろいろ毀誉褒貶もあるけれど、あの映像のノリと音楽の乗せ方のスタイルは
決して嫌いではない、どころかかなり好きなんですよ。

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田崎竜太監督『劇場版 超・仮面ライダー電王&ディケイドNEOジェネレーションズ 鬼ヶ島の戦艦』

終わる終わると言いつついつまでも劇場版が続く電王。
でもお面白いのでオッケーでしょ。
今回何しろ執事やら野球やらで元の主役が登場しない訳ですが
そこはうまく処理しててグー。各キャラの見せ場も申し分無し、
今回の主人公の設定がうまいなあ。ちゃんと成長ものになってて。
柳沢慎吾は好きじゃないけどまあ今回はそれほどうるさくもなかったし。
しかしあまりの人気にパンフレットがとっくに売り切れという事態はどうよ。

大泉のT-JOYでは時折撮影会を催してました。

なぜか毎週水曜日、キャラクターはその日によって違うらしい。

これは入場者特典のミニフィギュア。

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爾冬陞イー・トンシン導演『新宿事件 新宿インシデント』

中国からの密入国者が、新宿の片隅で仲間のため、
生き残るために懸命に努力しているといつの間にか
願いもしなかった権力を握ることになり……
という話をいかにもありそうなことの積み重ねで見せてます。
いろんなエピソードが、実は結構ハイテンポで進むのにそう感じさせない着実な演出。
そりゃねーだろとか嘘ごとっぽい突っ込みどころが(ないこともないけど)
かなり押さえられてるので、その先に待ち受けるのがろくなことじゃないと
わかっていても目が離せない。
成龍ジャッキー・チェンのイメチェンは大成功といえるのでは。
動作設計も兼ねた錢嘉樂チン・ガーロやいつもの感じの林雪ラム・シューもいいけど
呉彦祖ダニエル・ウーがまたねー、繊細ないいやつなのに運が悪いという役で。
この間見た『門徒』よりさらに精神がぶっ壊れてしまいます。
こういうのがうまいんだけどかわいそーな役が多いなあ。

歌舞伎町の映画館で見たので、臨場感は抜群。
映画館を出るときにはすっかり怖くなってました。
『不夜城』じゃあそんなことはなかったのにね。

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平川雄一朗監督『ROOKIES -卒業-』

「夢にときめけ、明日にきらめけ!」というのは
原作、TVシリーズからのこの野球部のキャッチフレーズだけど、
これに負けないくらいベタでくさい台詞、
普通なら3年に一度くらいしか聞くことのないものが
もう5分に一度はでてくる。
そこがいい。
照れたりひねたりせず真っ正面に向き合った台詞は
そう言うキャラクターから生まれるとちゃんといいもんですよ。
そういうのにまっしぐらに向き合ったスタッフとキャスト。
出来も王道の直球ストレート。

この原作者の作品は16年も前に映画化したことがあって、
それもアニメとしてのできはともかく
映画としては悪いもんじゃなかったとおもうのだけど、
いかんせんヒットはしてなくて。
今回は言わずもがなの大ヒットでしょう。
森田さん、おめでとう。

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J・J・エイブラムス監督『スター・トレック』

『ルーキーズ』とおなじくTVからの映画化、あちらは続きで完結編だけど、
それはもう何十年も前にやってるこちらは再スタート版というか。
できはいいと評判なのにどーものれませんでした。
や、確かに見せ場やテンポやお話はよく出来てるんだけどね。
あまり前情報入れてなかったので、てっきり『宇宙大作戦 エピソード0』だとおもってたのに
どーもパラレルワールドの話らしいとわかってきたあたりから冷めてきたというか。
熱心なトレッキーならカークの父の状態ですぐわかるんでしょうがそこまで覚えてないし。
そのくせメインブリッジのレギュラー(の若い頃)は次々登場して
それらしい活躍や抜けたとこもちょっとずつ出す。
でも結局パラレルだから別の人なんだしねえ。
スポックはいろいろ葛藤や鬱屈もあり、彼らしいけど
カークは登場したときから一度も間違いも失敗も挫折もないというのが
気に入らなかったのかなあ。
若い彼らがいかにしてあのクルーになっていたかに興味あったので、
特に変化のない人はこちらの関心外だったのです。
ほかの乗員にしても一人一活躍させときゃいいやてな薄い感じも。
タイムトラベルネタのいい加減さも含めて元々テレビシリーズもそういうもんだと
言われればそうだし、それがよかったわけだけど、
特撮やセットが元のイメージを残しつつちゃんと今風になってるので
話も少し奥深いものを期待するじゃあありませんか。
この監督にはそれは筋違いか。

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陳 可辛ピーター・チャン導演『投名状 ウォーロード 男たちの誓い』

とにかく恋愛映画というのはおもしろく思えた試しがないのでほとんど見ないのだけど、
香港製のものだけは見るようになったきっかけがこの監督の『ラブソング』で、
ここ数年公開された香港映画で見逃して後で一番後悔したのが前作『ウインター・ソング』、
ただの甘い恋愛もののように宣伝してたけどとんでもないミュージカルの傑作。

ということで今回は絶対見逃せないなと臨んだのですが、
ほんとは先週『新宿事件』の後に見る予定だったのがちょっと間を開けてよかったー。
二本続けて重いのは無理ですね。

清朝末期
民のために戦う愚直な盗賊趙二虎ツァオ・アルフ劉徳華アンディ・ラウ
弟分姜午陽チャン・ウーヤン金城武のもとに流れてきた
全滅した軍の将?(广に龍)青雲パン・チンユン李連杰.ジェット・リー。
義兄弟の誓い「投名状」を交わした三人は
清の軍に加わり厳しい戦いを勝ち抜いていくが……

ここで誰かが出世に目がくらんだり権力にとらわれたり、
というのならまだよくある話なのに、
三人が三人とも己の信じる正義、大義、信義を曲げないままであるが故に
どうしようもない悲劇に見舞われていくという、何とも救いのない映画。

戦闘シーンも『赤壁』のように派手で華麗で勇壮なものでなく、
埃まみれ泥まみれでリアルこの上ない。
映画はそのスケール感は追わないでひたすら三人の心情を細かく描いていって、
劉徳華や金城武はまあいつもどおりなんだけど
恋愛まで絡んで複雑な表情を見せる李連杰が、こんなに演技力があったなんてと
『新宿事件』の成龍以上の驚き。

エンディングにかかる日本語版主題歌なるものが
普通ならこれさえなきゃあいい映画なのにと言いたくなるところが
今回は重い余韻のためにその頃にはもう何がかかってるのか
まるで気になってないという状態でした。

一応リメイクのこの映画の元版『刺馬 ブラッドブラザース』も見てみなくちゃあ。

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プラッチャヤー・ピンゲーオ監督『Chocolate チョコレートファイター』

とにかく主演のジージャーことヤーニン・ウィサミタナンがすごい!
正直映画としちゃあこの脚本はどうよと言う気もするけど
映像体験という意味でなら尻上がりにすごくなる
見たことないアクションの怒濤の勢いにもうすべてオッケー。
以上!

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マイケル・ベイ監督『トランスフォーマー リベンジ』

期待と予想から1ミリも狂わない正しい続編。
相変わらず最後は人間が走らなきゃ行けない必然性がさっぱりわからないけど、
クライマックスの復活と合体には大喜びでした。
いやー、ジェットファイヤもうけ役だな。

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三宅隆太監督『呪怨 白い老女 安里麻里監督『呪怨 黒い少女

デジモンアニメが10周年と思ってたらこちらも10周年でした。
元の清水崇監督は今やハリウッド版までとって大成功したわけで、
今回は新鋭の二人で二作同時上映。
東京では新宿バルト9単館、しかも夜遅めの時間だけ。
なのに、か、なので、か、結構客入ってましたねー。

どちらも原作と同じでなくとも呪怨であろうとするとこは同じ、
後は好みだけで、主演:黒 加護亜依 瀬戸康史よりは白 南明奈 鈴木裕樹
でも脇は白 みひろ・中村愛美よりは黒 中村ゆり ・ 高樹マリア
どちらも伽椰子さんはでないけどトシオ君はちょっとだけ
しかもほとんど意味なく出てく来て笑いを誘います。
白い老女も結構笑いが出てました。
得体の知れなさは黒の方がよく出てたように思うけど、
どちらも割とちゃんとまとまったとこがちょっと残念かなー。
元の呪怨は終わりに向けて崩壊が進んで行くとこが特徴だったようにも思うんで。

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岩本仁志監督『MW-ムウ-』

主演二人はこの映画まではあまり興味なかったのが、
なんかすげえぴったりな感じがして期待はしてたわけですよ。
実査に見てみたら石橋稜の刑事も奮闘してて、そこはよかったのだけど。
原作の要素を省いたとか脚本の善し悪しとかそういうことでなく
どんなアクションやってもわくわくしないし
サスペンスぽい場面でもハラハラドキドキしないままとりあえず物事だけ進んで、
見る人の心になんにも響かない映像が流れていくだけの二時間。
演出って難しいですね。
スタッフ、キャストともクレジットはすべてアルファベットってのにも
どんな意味があったのか不明。
なぜか作曲家のみ姓が先に表示されるのも謎。
作曲家についてはこのあたりも。

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摩砂雪 、鶴巻和哉監督『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

テレビ版をみてはいるものの熱心な視聴者でなく、
今回の前作『序』も劇場に行ってないままテレビ放映を
録画したのに見忘れてたことに気がついたのは
映画館でチケット買ってエスカレーターに乗った後という
なんともだめな観客。
よく言えばノーブルな状態でみるピュアな、といいましょうか。
そりゃ言い過ぎか。
何しろ公開から一ヶ月以上たったしかも結構夜遅い時間だったのに、
かなり満席の客席にびっくり、上映中の真剣な雰囲気にまたびっくり。
何がそれほど人を引きつけるのかと、こちらも興味津々。
見終わった感想はなるほどねえー、できがいいわ。
映像としてとか画面処理が、というのもあるけど、
いろんなギミックを取っ払ってみると
主人公の反発、軋轢、挫折、逃亡からいかにしてまた戦うことになるのか
という成り行きがもう古典的といっていいくらい活劇の定石にはまってて、
そこをごまかさないでやってるのは実は最近の映画(特に邦画)に
あまり多くないんじゃないかと。
次回もちゃんと劇場でみよう。て、前作の録画もちゃんとみなきゃね。

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ボブ・レターマン、コンラッド・ヴァーノン監督『モンスターVSエイリアン』

古今東西の怪獣怪人宇宙人映画のネタをバランスよく盛り込み
口当たりのいいものに仕上げました、と言う、
ちゃんと楽しく出来てるんだけど、
いろいろそつなく出来てる出来具合が何となく
アメリカのホームドラマを見てるようで。
この手のジャンルにある種のいかがわしさ、
と言って悪ければほの暗い情熱とでもいいましょうか、
そういう毒っぽいものを求める人にはちょっと向いてないでした。

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陳木勝ベニー・チャン導演『保持通話 コネクテッド』

元のラリー・コーエン原案ハリウッド版もテレビで見ただけだけど、
そーとー面白かったのが、
わざわざ香港で作り直すとどうなるのかというと、
さらに面白かった。
まんまといやあまんま。
それがあの大して広くない香港内で行われるのですごい臨場感の上、
これも元の通りとはいえ映画によっては厳つい役とか壊れた役とかもちゃんとこなす
古天樂ルイス・クーがまるでヒーローじゃないどこまでも普通の人のままというのが
徹底してて身近でいいんすよ。
普通ならどっかでヒーローとして目覚めて言動が違ってきたりするもんだけど
そんなのほとんど無いっつーのがグー。
ま、悪役の劉?(火偏に華)リウ・イエだけなぜかちょっと弱かったけどね。
ちょうど自分がケータイを扱ったコンテを作業中のことでもあり、
勉強にもなりました。

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金田治監督『劇場版 仮面ライダーディケイド オールライダー大ショッカー』

一応ディケイドの劇場版なんで、そういうのがないといかんのだろうけど
ディケイド個人の過去とかドラマ部分が
この主人公があまり好きになれないこともあって別にどうでもいい部分。
その代わり、といってはなんだけどドラマ以外の部分、
初っぱなからの対アマゾン戦、以下いろんなライダーの登場、
そして仮面ライダー初代からの総登場場面はこれ以上もない盛り上がりっすよ。
もちろん石橋蓮司の死神博士、大杉漣の地獄大使もね。
お祭り映像として完璧ではないでしょうか。
2本立てのため尺が短めなのもいい方に働いてます。

もちろん、もう1本も。

中澤祥次郎監督『侍戦隊シンケンジャー銀幕版 天下分け目の戦』

話はまあテレビとそう変わらないものの、
やはり馬に乗った迫力は劇場ならでは。
ワイヤーアクションって、生身の普通の人がやると嘘っぽいけど、
仮面ヒーローには実にいい効果を出しますねえ。

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スティーヴン・ソマーズ監督『G.I.ジョー』

元のアニメシリーズはアメリカ発とはいえ
実際に製作してたのは日本で、2本ほど演出助手をやりました。
お話はさっぱり覚えてないけれど、キャラがたくさんいたのはたしかで、何よりそれが大変で。
それに比べると今作は割とキャラ数を絞ってあるんで、まあわかりやすいこと。
それにしても、運搬、防衛、強奪、乱闘、訓練、襲撃、迎撃、乱入、狙撃、阻止、
逃走、追跡、爆走、爆裂、崩壊、反撃、突入、発射、飛行、乱戦、反発、追走、爆破、
ととにかくアクションのつるべ打ち。
自動車、輸送車、戦闘車、戦闘ヘリ、飛行機、バイク、潜水艦、潜行艇、地中艇、攻撃機、
ミサイル、加速スーツ、衝撃砲、自動追尾ボウガン、ナノテク、地中基地、海中基地、とギミックも満載。
よくもまあ、これだけ詰め込めたもんだ。
人間系のドラマも一応あるけど、今回はまだ『THE RISE OF COBRA』つまり敵組織の誕生編な訳で、
次作からはもっとお話なんか無くてキャラがもっと増えて
ひたすらいろんな戦いを繰り広げていくだけの映画が出来るんじゃないかと期待。

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デヴィッド・イェーツ監督『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

まあ最終作へのつなぎの作品なんだけど、ちゃんと次への引きを含めてよく作られてますよね
って当たり前か。
主演3人も思えばよく成長したもので。
驚くのが、悪の大元トム・リドルの少年時代、11歳と16歳で
違う子が演じてるとは思えないほどそっくりぴったし。
ダンブルドアも俳優が変わっても気にならなかったけどそれとはまたちがいますわね。

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ピエール・モレル監督『96時間』

白人の中でも一回りでかいリーアム・リーソンが何ともさえない中年ぶりがうまい。
娘がさらわれてからの豹変ぶり、特に見た目は変わらないのに内圧が高まってる感じがまた。
戦いというより敵のつぶし方に無駄もためらいもないとこがいかにもプロ。
悲しいことに普通のおとーさんはここまでがんばれませんがそりゃまあ映画なんだから、
こんなことできたらいいなが見られるのがいいとこでしょう。
いろいろ突っ込みどころもあるはずの話をいい緊迫感を持続させられたのは
情緒過多なとこを削ったタイトな演出によるとこも大。
パンフに監督名出してもらえてないけどね。

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金 知雲キム・ジウン監督グッドバッドウィアード 風塵三侠決戰地獄門』

韓国映画もハングル文字で表記されるとなんだかよくわからなくって、
最近は漢字表記運動も出てきてるらしいというので
ここではなるべく漢字も併記するようにしてるんですが、
この漢字題名もなかなかいいじゃねーですか。
向こうで予告が出たあたりから心待ちにしてたのが、
ひょっとしたらDVDかもなーとまで思ってたのに、劇場公開されて良かった。

もちろん原題はマカロニウエスタンの傑作『続・夕陽のガンマン(The Good, the Bad and the Ugly)』
から来てるんで、これもまた文句ないところ。
戦前の満州を西部劇の舞台にするというのもまったくぴったし。
あーもう、この舞台で岡本喜八西部劇を見たかったなあ。

もとのthe Goodクリント・イーストウッドにたいして良い奴は鄭雨盛 チョン・ウソン、
テディ・ベアみたいな丸顔に長身でコートはためかせてライフル撃ちまくり。
馬上でライフルを片手でまわしたりしてな、ジョン・ウエイン風のまでやってみせるし。
the Badリー・ヴァン・クリーフの悪い奴は李秉憲イ・ビョンホン、
黒ずくめなのは元ネタ譲りで冷酷非情なしかも馬賊の頭目。
どっちかつーと『レッドサン』のアラン・ドロンみたいで、銃ももちろんナイフ使いも様々見せます。
この二人それだけで十分面白くなったはず、が。
the Ugly醜い奴イーライ・ウォラック転じて変な奴は宋 康昊ソン・ガンホ。
『グエムル - 漢江の怪物』のですよ。『南極日誌』の、『殺人の追憶』のですよ。
『JSA』の、と言いたいとこだけど未見だ。
とにかく奴があらゆる場面で持って行ってしまいます。
もともと李秉憲イ・ビョンホンは彼に負けたトラウマ抱えてるって役柄だし。
回想で2カットだけ出てくる宋 康昊ソン・ガンホの怖い顔は尋常でないですよ。無理もない。
コミカル、というだけでは収まらない過剰さ。
それを言えば全編が大平原の列車強盗、魔窟ともいえる闇市での銃撃戦、
馬賊盗賊関東軍入り乱れての追撃銃撃砲撃
もちろん最後は1対1対1の決闘と何でもぶちこんじまえ的な過剰な見せ場にあふれてるので
もうこの監督バカとしか言いようがありません。
おれ大喜び。

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堤幸彦監督『20世紀少年最終章「ぼくらの旗」』

現実に近いところからはじめたおとぎ話が
舞台を近未来へ移して行くと同時に荒唐無稽さを大きくして行くのは
物語が自走、自立して行く分さけられない事で、
そこが物足りなくなる人も原作としては多くいたかもしれないのも
仕方ないことではないかと。
今作で物語的には実にいいまとまり、というか着地をしてました。
お見事。
映画としてはちょっとテンポが乱れて構成としてはあまあまなんだけどね。
高橋幸宏とか遠藤健司とかそこでそう来るかという
ミュージシャンのキャスティングが異様に存在感放つのも
クライマックスのコンサート場面と相まってなんかよかったんじゃないかと。
それにしても○○○○○が○○○○○○になっちゃうのかー、そうかー。

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CINEMA忍法帖@ラピュタ阿佐ヶ谷
その1、2

阿佐ヶ谷で開催中の忍者映画特集上映で3本見てきました。
ここ最近山田風太郎忍法帖読み進めてたのでそれを……
と、いいつつなぜか見た事あるのは読んだ事あるものばかりで、
未見の3本が未読のもの。

川崎徹広監督『風来忍法帖』(1965)

川崎徹広監督『風来忍法帖 八方破れ』(1968)

見てわかる通り2本というより正編と続編なんですが、
3年もたってから続編というのは変、
キャストもセットもほぼ同一だし、
何より話がまるで続き物の前後編なんで、
2本いっぺんに作ったんじゃないかなあ。
続けて公開するつもりがあまり受けなくて
後編の公開はじめが遅れたとか。
いや原作未読なんで違うかもしれませんが。
忍法帖と言っても暗さもエロチックさもほとんどない明朗活劇、
なにしろ脚本は関沢新一、主演はなんと渥美清。
しかもこれが忍者でなく香具師、
得意は女を口説き落とす事という絶好に持てる男。いやほんとに。
仲間が 佐藤允 佐々十郎、秀吉が有馬一郎で三成が堺俊二、
敵忍者の首領・風魔小太郎に平田昭彦というおなじみ東宝出演陣。
渥美清がどこからともなく花をだしてあっという間に
敵のくノ一でも落としてしまうとこなんかおかしいし、
佐藤允のワイルドな立ち回りに負けず劣らず
意外といい太刀捌きを見せたりして、
それなりに面白いとこもあるんだけど、
『隠し砦の三悪人』の劣化コピー感は免れず
えーまあ珍品かなあやっぱり。
っていうより風太郎の映画化と思って期待した人たちは
満足しないよね。

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CINEMA忍法帖@ラピュタ阿佐ヶ谷
その3

長谷川安人監督『忍法忠臣蔵』(1965)

婚約者が『忠義』のため大奥にあがってしまい、
『忠義』が大嫌いになった伊賀者・無明綱太郎に
丹波哲郎とはなかなかいいキャスティング。
当時の東映だから撮影もセットもいちいちちゃんとした時代劇らしい画面。
なにしろ題材も忠臣蔵ですからね。力も入るかと。
西村晃の千坂兵部、大木実の大石内蔵助もグー。
あんまり派手でなく、地味目に話が進むものの
「はたして無明は赤穂浪士の『忠義』を
くノ一を使って堕落させ、
討ち入りを阻止する事が出来るのか」
って顛末は誰でも知ってるので、
じゃあどうしてそうなるのかという成り行きを
見ることになりますが。
橋の上で舞い散る雪を受けながら山家流の陣太鼓を聞く
丹波哲郎は恋人をお姫様だっこしてるという、
ある意味驚愕のハッピーエンド。

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劉鎮偉ジェフ・ラウ導演『機器侠 カンフー・サイボーグ』

方力申(アレックス・フォン)、胡軍(フー・ジュン)、孫儷(スン・リー)、呉京(ウー・ジン)、鄭中基(ロナルド・チェン)、曾志偉(エリック・ツァン) 

今年はいつ時間が出来るかわからずまるで前売りを買わなかった東京国際映画祭。
前日にちょっと時間が出来そうとわかり見てみたら空席あったので
ためらわず買ったのがこの映画の。『大英雄』の劉鎮偉ですよ。みなくちゃあ。

田舎の刑事胡軍フー・ジュンが新しくコンビ組む事になった
新入り方力申アレックス・フォンは実はロボット。
じゃあサイボーグじゃないじゃん、と思ってたら、
自由を求めて人間に反逆する呉京ウー・ジンが
出たあたりから話があっちの方に行き始め……。
ああなるほどと。
シリアスな場面とあっけにとられる程バカなアイディアのギャグが
実にテンポよく共存してるのはほんとこの監督うまい証拠。
でも基本は孫儷スン・リーを巡るラブコメ映画。
しかもせつないんですよ。ちゃんと。
すごいなあもう。

予告はこちら

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崔洋一監督『カムイ外伝』

そりゃー世代としちゃあアニメ版を想起しないわけにゃあいかないですが、
あんなかっこ良くて声が渋すぎというのも出来過ぎなんで、
実写としては松山ケンイチで正解でしょう。
小林薫とか佐藤浩市とかもグー、土屋アンナに至っては
この手の役はこの人しかないんではと思わせるもの。
出番少ないけど。
山崎努でナレーションというのも声は好きだけどあの半分でいいよね。
伊藤英明と小雪はなんに出てもたいてい雰囲気壊しててまたも。
テンポがちょっと悪いものの谷垣健二のアクションもよく
前半まではなんとかいけたのが後半すぎあたりで
あれ、あっちはどうなってんの?追手こないの?と、気になってしまい、
脚本と言うか構成がよくないんじゃないかなあ。
とまあ残念なとこもあるけどそんな悪い映画でもないでした。

実写で見たいのは名張の五つなんだけどね。できれば國村準で。

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サム・ライミ監督『スペル DRAG ME TO HELL』

本格推理でいうと『毒入りチョコレート事件』とかあるでしょ、
普通に解決するまでに何通りも案をだす。
今作も一つの怪奇要因に対していろんな解決手段を
試みたりするのがちょっと似てるんじゃないかと。
怪奇要因がいろんな攻撃をしてくるというのは
当たり前ですからね。
とりあえず思いつく事は一通りやろう、かな。
三ひねり半くらいしたあげく、
意外とストレートなホラーものになってるあたり、
安心してみられました。
なんか楽しそうに作ってるよなあ。

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『遺品 未解決事件流出証拠検証記録』

最近アメリカで低予算のフェイクドキュメント系ホラーが大ヒットしてるようで、
それが日本に来る前の柳の下のなんとか。
この手の先駆け『邪願霊』はもとより、
『放送禁止』シリーズの面白さが再確認できます。

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鄭保瑞ソイ・チョン導演『意外 Accedent』

フィルメックス、前売り券買い損ねて見るのをあきらめてたんですが、
当日券があるんですねえ。おかげで何とか見れました。

『ドッグ・バイト・ドッグ 狗咬狗』『軍鶏 Shamo』の鄭保瑞なんで、
うまいのはもちろん。事故(広東語で「意外」)に見せかける殺し屋チームが、
ある件をきっかけにそれが事故か別チームに狙われてるのか
疑心暗鬼になっていき……

そのリーダーが古天樂ルイス・クー。全体に虚無感をただよわせた演出とマッチ。
後半出てくるエリート保険会社員の任賢齊リッチー・レンが
普通のひとで似合ってます。

演出がうますぎて何となくうまくまとまっちゃう脚本との相性が
あまり良くなかったような感じ。
鄭保瑞にはもうちょっと暗い熱気見たいのを期待し過ぎちゃうんですかねえ。

 

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ケニー・オルテガ監督 『Thisi is it』

MJといえば空飛ぶ戦闘潜水艦と思ってたのに最近はすっかりこっち。
大ヒットだったようで。
支えるスタッフの数とレベルがものすごい。
『スリラー3D』はそこだけでも何回も見たいほど。

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石井てるよし監督 『あばしり一家』

何とも低予算な感じがあふれてるんですが、
ちゃんとキャラクターのイメージが映像化されてるのがいい
。ニッポン番外地という舞台を含め、
永井豪の世界も崩れてないというか、
むしろ低予算なほうがあの味は出るのかと思うほど。
いやそれは石井監督と村井さだゆき脚本が
よく原作を理解してるからではあるんですが。
原作のキャラはよく覚えてても話はさっぱり
思い出せないというのは自分でもなんだか。

 

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田崎竜太監督『仮面ライダー×仮面ライダー W(ダブル)&ディケイド MOVIE大戦2010


ちゃんと終われるのかディケイド、
テレビ以前の話を描くWとどうやって絡むのか。
いろいろ不安がありつつの劇場版。
が、これはオッケーでない?
大変楽しめました。

普通なら同時上映の戦隊物がないのが寂しい感じがしそうなところが、
そもそも2本立てっぽい筋立てなのでそんな気にもならず満足感。
たくさん出る必殺技もよく工夫してるなあ。

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