時々思いついて書く映画の感想

2008

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01/23 原田眞人監督『魍魎の匣』
02/27 岡本喜八監督『大学の山賊たち』(1960)
03/17 クリス・ワイツ監督
05/05 張芸謀チャン・イーモウ監督『滿城盡帶黄金甲 王妃紋章 Curse of the Golden Flower』
05/06 筧 昌也監督『Sweet Rain 死神の精度』
05/07 本広克行監督『少林少女』
05/08 マット・リーブス監督『クローバーフィールド HAKAISHA』
05/09 鄭保瑞ソイ・チェン監督『軍鶏 Shamo』
05/11 金田治監督『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事(デカ)』
05/12 雑賀俊郎監督『チェスト!』
05/14 フランク・ダラボン監督『ミスト』
06/22 アンドリュー・アダムソン監督ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
06/23 内田けんじ監督『アフタースクール』
06/27 倉田恵子監督『放課後』
07/03 周星馳チャウ・シンチー導演『長江七號 ミラクル7号 CJ7』
07/04
 〜
07/10
   香港レジェント・シネマフェスティバル
杜[王其]峰ジョニー・トー導演『赤脚小子裸足のクンフーファイター The Bare-Footed Kid1993
張徹チャン・ツェー導演『殘缺 残酷復讐拳 Crippled Avengers』1978
何夢華ホウ・メンホア導演『油鬼子 液体人間オイルマン The Oily Maniac』1976
杜[王其]峰ジョニー・トー導演『十萬火急 ファイヤーライン LIFELINE』1996
劉鎮偉ジェフ・ラウ導演『回魂夜 チャウ・シンチーのゴーストバスター OUT OF THE DARK1995
孫仲スン・チュン導演『冷血十三鷹THE AVENGING EAGLE』1978
楚原チュー・ユアン導演『楚留香 武侠怪盗英雄剣・楚留香 Clans Of Intrigue』1976
07/25 本木克英監督『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』
07/26 スティーヴン・スピルバーグ監督『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
08/02 エドワード・ニューマイヤー監督『スターシップ・トゥルーパーズ3』
08/18 ロブ・ミンコフ監督『ドラゴン・キングダム The Forbidden Kingdom 功夫之王』
08/19 ロブ・コーエン監督『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』
08/20 テレンス・フィッシャー監督『吸血鬼ドラキュラ』1958
08/21 エドガー・ライト監督『ホット・ファズ 』
08/22 クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』
08/29 周杰倫ジェイ・チョウ導演『不能説的秘密 言えない秘密』
08/30 朱延平チュー・イェンピン導演『功夫灌籃 カンフー・ダンク!』
09/02 ピーター・バーグ監督『ハンコック』
09/10 堤幸彦監督『20世紀少年』
10/04 八木毅監督『大決戦!ウルトラ8兄弟』
10/05 ジョン・ファヴロー監督『アイアンマン』
10/06 ティムール・ベクマンベトフ監督『ウォンテッド』
10/07 マキノ雅彦監督『次郎長三国志』
10/08 金田治監督『劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』
10/17 西谷弘監督『容疑者の献身』
10/23
 〜
10/25
   香港カルトシネマフェスティバル
張徹チャン・ツェー導演『五遁忍術 少林拳対五遁忍術 Five Element Ninjas 1982
桂治洪カイ・チーホン導演『邪 ゴースト・オーメン Hex 』1980
桂治洪カイ・チーホン導演『魔 デビルズ・オーメン The Boxer's Omen1983
11/05 杜[王其]峰ジョニー・トー導演 『放・逐 エグザイル 絆』
11/06 杜[王其]峰ジョニー・トー導演『胡蝶飛 僕は君のために蝶になる』
11/07 ブライアン・デ・パルマ監督リダクテッド 真実の価値』
12/17 杜[王其]峰ジョニー・トー導演『文雀 Sparrow』
12/18 ショーン・エリス監督『ブロークン』
12/19 ミカエル・ハフストローム監督『1408号室』
12/20 呉宇森ジョン・ウー導演『レッド・クリフ Part1』
12/21 杜[王其]峰ジョニー・トー導演 『放・逐 エグザイル 絆』
12/22 ベン・スティラー監督 『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』
12/28 アンドリュー・スタントン監督『ウォーリー』
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原田眞人監督『魍魎の匣』
去年のまだ早い時期だったかなあ、原作者である京極夏彦さんに
長年の疑問におもってた事を聞いたんですよ。
『魍魎の匣』最初にでた新書判のカバー見返しに写ってる、
黒い匣の様な建物は一体どこのなんなのか、と。
答えはあまりにあっけないもので、きかなきゃあよかったみたいな気も一瞬。
で、その匣館がすげえ外見になってて、
それがでてきたあたりからは流れが良くなってたような。
微妙に日本に見えないロケと相まっていい効果になってた部分もあります。
新配役の椎名桔平、青木刑事はよかったけど鳥口や和寅はイメージ違うかなあ。


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岡本喜八監督『大学の山賊たち』(1960)
ラピュタ阿佐ヶ谷の岡本喜八特集「喜八魂」にて。
喜八映画の戦争もの、暗黒街もの、時代劇などはたいてい見てるのに
初期のコメディや『青葉繁れる』「にっぽん三銃士』
『江分利満氏の優雅な生活』など未見のものがいくつか。
その中でも『大学の山賊たち』は山崎努のデビュー作だと言うのに
見てないのはいかんではないかと、いったわけです。
雪山が舞台の青春スキーアクションで題名にもあるように主人公たちは大学生の山岳部。
その頭が山崎努(役名もお頭)若くて溌剌とした山崎努の姿が見られ……
いや若いときからあまり若くないです。かわってねー。
実年齢で23、4なのでそんなにまちがってないのになー。
が、どういうわけだか眼を見開いたときには仕置き人時代の沖雅也に
似てるようにも見えていやそんなはずはないと眼をこすったり。
銀行ギャングも絡んだりとそれなりにサスペンスもあるとはいえ、
『独立愚連隊』の翌年に作られたと言うのになんだかのんびりしてます。
東宝映画おなじみの面々がお似合いの役をやってるのが楽しい映画でした。

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クリス・ワイツ監督
『デジモンアドベンチャ−02』が終わる頃原作を読んで、
魂の分身であるダイモンという設定があまりに
『アドベンチャー』におけるデジモンと共通項が多くて
飛び上がったと言う話は
当時のこのサイトや去年末にでたDVD−BOXの対談でも話題にしました。
(もとの携帯ゲーム機や『テイマーズ』以降のデジモンは全くそういう設定ではありません)

原作の刊行は1995年でも翻訳がでたのは
『アドベンチャー』放映中の1999年11月という事で
偶然と言えば偶然、シンクロニシティと言うほかないんですが、
なんだか他人の作品のような気がしないままで、
それが映画化される時には期待も不安も同じくらい。
で、出来はと言うと。
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズみたいに
とにかくどの場面もよくわかるように細かく描写していかれると
結構お腹いっぱいになっちゃうもので、
今回の早いテンポは原作など知らない人がみたらどうなのかわからないけど
自分的には全くオッケー。
それより何より諸々のデザイン、キャスティングを含めた
ビジュアルイメージが原作読んだときのまま、あるいはそれ以上で、
ライラも白クマも気球乗りも魔女もかっこ良くてもう大満足。
一つだけ難点を挙げるとすれば3部作の残りを間違いなく作ってくれよね、
ということだけ。

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張芸謀チャン・イーモウ監督『滿城盡帶黄金甲 王妃紋章 Curse of the Golden Flower』
周潤發チョウ・ユンファ、鞏俐コン・リー、周杰倫ジェイ・チョウ、劉 (火華)リウ・イエ
ってキャストがそろうだけでもすごいのにそれで王家の家族で愛憎権謀渦巻いて
さらに黄金尽くしのセットに衣装、
何から何まで豪華まくりで感覚が麻痺しそうな映画ですが、
中盤すぎたあたりからの忍者(みたいな)軍団絡みのアクションシーンで
盛り上がったところで極めつけ
故宮前庭を覆い尽くす黄金甲冑のものすごい数の軍団。
さらにそれを迎え撃つ銀の軍団。
ほんとにあのバカ広い敷地を埋め尽くすんですよ。
もうアホ。
話についてはうなづけないところもあった様な気がするけどもうどうでもいいや。
キャストは美しいけど怖く悲しい鞏俐コン・リー、
誠実な周杰倫ジェイ・チョウ、
女に持てるせいで災いを招く劉 (火華)リウ・イエと、
もう最初からはまり役なんですが、
周潤發チョウ・ユンファのいろんなものをうちに秘めた風格が特にすごい。
ほんとにこれで次回作は亀仙人なのかと。
東劇に見に行ったらロビーに衣装が一部展示してありました。










筧 昌也監督『Sweet Rain 死神の精度』
六つの短編からなる原作のうち3つを選んで
過去現在近未来3つの時代にわたる一つのストーリーにまとめたもの。
元々最初と最後のエピソードはつながりあるのだけど、
真ん中のもわりとうまくはめ込んだ感じ。
死神、といっても対象人物が突然死していいかどうか
7日間のうちに判定するだけと言う役目で、
人間のことにいまいち不慣れなままの上、
音楽だけはすごく好きと言うちょっととっぽい役柄に金城武はぴったり。
なのに、その肝心の音楽の使い方がいまいちで
映像も何ともつたない語り口で、不安定なまま映画が進んで行き
大丈夫かなこれと思ったところで3つ目のエピソードに出てくるのが
粋な老女を演ずる富司純子。
リメイク版『犬神家の一族』でもほとんど同じ撮り方をしてるはずなのに
この人の場面だけまるで別の映画になってしまって
そのすごさに驚いたもんでしたが
今回もまたここでいきなり映画の格が上がり、
ほんとはたいした絵をとってる訳でもないのに
金城武とのツーショットなんてまるで奇跡をみてる思いでした。

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本広克行監督『少林少女』
そこだけ見れば良さそうな場面もあるけどつながりでみた時生きてないので、
余分な場面とか台詞をとり払ってシーンの順番換えて編集し直すだけでも
この3倍は盛り上がりそうな感じ。
ラクロス少女隊と林子聰ラム・チーチョン、田啓文ティン・カイマンは
もっと長くみていたいですよ。

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マット・リーブス監督『クローバーフィールド HAKAISHA』  
核兵器の象徴と言われる事の多いゴジラも1954年の第1作で逃げ惑う群衆を見ると
むしろその9年前の東京大空襲の再現と誰かがいっててなるほど、
怪獣とは人災の規模を超えたものを天災ととらえ直した際のキャラクター化であったのかと、
それは怪現象を妖怪としてキャラクター化したのと同じ原理の様な気もする訳ですが
それはともかく今作。
おなじNYを舞台にしながら1998『GODZILLA』では
ヘリや戦闘機に追われてビルの間を逃げ回る巨大生物でしかなかったものが
9.11を経た後ではそれを人災でなく天災の一種とみて、
それでもキャラクターとしてとらえ直そうとするには
やはり日本と同じように10年近い時間が必要だったのねと。
と、まあ見る前はそんなことを漠然と思ってたわけですが、
実際見るとあなたこれが実にストレートな燃え燃え怪獣映画ですよ。
肝心の怪獣がいまいちかっこ良くないところが難点ですが。
どれくらい怪獣映画かと言うと作品の体裁上劇伴音楽というものがないので
ラストのクレジットのところだけ流れてる音楽が
伊福部昭から大谷幸にいたる間違いなく怪獣映画音楽。
くそいいな今時こんな真っ当な怪獣映画作りやがって、
撮影時の計算は大変だっただろうからまねはしたくないけど作ってて楽しそうだ。

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鄭保瑞ソイ・チェン監督『軍鶏 Shamo』
原作・脚本は日本のコミック、未読。
原作の主張みたいなものはなんだかうっとおしそうなんだけど、
大筋だけとれば少年院で格闘技を学んだ青年が出所後プロのリングで戦うと言う
『明日のジョー』のトリビュートみたいなもの。
監督は去年一番痛そうな映画だった『ドッグ・バイト・ドッグ 狗咬狗』の人。
舞台も本当は日本なのだろうけどどうみてもそうは見えない風景に、
出演も余文樂ショーン・ユーをはじめとして
呉鎮宇(フランシス)ン・ジャンユー、
梁小龍ブルース・リャンなどの香港勢に
台湾の郭品超ディラン・クォなど、日本からも石橋凌とごた混ぜ。
その無国籍風だからこそ可能になっているのは、どの瞬間も実に映画らしいと言うこと。
原作のダイジェストとしてしか見られずにここがあそこが原作と違う、
とばかりでこの映像表現の豊潤さを見落とす人がいるのはもったいない。
つい新宿でみたら吹き替え版で、最初しまったと思ったものの
余文樂ショーン・ユーの小西克幸さんははまってて
『ゲゲゲの鬼太郎』で小豆洗いなんかやってると
もったいないお化けが出ますよと言いたいくらいだけど
それよりも空手の師匠役呉鎮宇(フランシス)ン・ジャンユーの声は
山路和弘さんでもうはまりすぎ。
強そう怖そう悪そう。
『無間道 インファナル・アフェア』TV放映盤で
梁朝偉トニー・レオンの声やってる場合じゃないですよ。
パンフレットにはちゃんと日本語吹き替えキャストも書いてあって、
他の映画界じゃも見習うように。
よく考えたら余文樂と呉鎮宇は『無間道2』では兄弟役だった、
と気づいたのは物語中盤で「お前はオレに似てる」なんていってたあたり。
だいたい自分的にかなり点の高い映画ですが、
呉鎮宇と梁小龍の対決シーンがあっただけでもう満点を超えてます。

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金田治監督『劇場版 仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事(デカ)』
もとはDVDとしての企画だったいう、TVシリーズのおまけの1本。
なので、シリーズにあったシリアスな部分はいっさいなくてただひたすら楽しい面白い場面だけ、
もちろん全員の決まりの見せ場付き、
あえていえばキバは一応ちゃんと活躍するけど
別に出なくてもよかったんじゃない
と言うくらいで他はとにかく最初から最後までクライマックス。
こういうテンションはまるで香港映画で、
どこやらの続編のはずのものより数百倍香港映画
それも旧正月映画ですわ。
エンディングではNG集でこそないものの
メイキングが流れるし。
これを楽しめない人には残念としか言いようがない。
何しろすぐとなりが撮影所なので、上映期間中はこんな展示も。子供が喜ぶだろなあ。



雑賀俊郎監督『チェスト!』
監督は高校の同級生。
たまにちょっと手伝ったりする事もあったんですが、今回は普通に観客としてみてきました。
鹿児島の小学生の4キロの遠泳大会の話。
実は泳げない主人公とか泳ぎ得意なのに遠泳には出ないと言う転校生とか友情や初恋やいろいろ含めての映画。
当然子供たちの出番が多いのだけど、そううまい子役ばかりと言う訳でもなく
それをカバーできるだけの演出力を発揮してる訳でもないのですが、誠実に作ってます。
評判もいいみたいで、多くない上映館の延長が決定したとのこと。
よかったねえ、雑賀。
主人公の父役の高嶋政宏がちょっと調子のいい、でも熱い奴を演じてて、
お、この人こんな事も出来る人だったのかと見直しましたが、
担任の先生役松下奈緒もよくて、
それに音楽が結構いいじゃんと思ってたら
この松下奈緒さんが原曲を担当(補作はゲーリー芦屋さんなど)これも驚きました。

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フランク・ダラボン監督『ミスト』
刊行当時に読んだきりなのでスティーブン・キングの原作の細かいところは忘れてます。
主人公役トーマス・ジェーンは『ドリームキャッチャー』にも出ててなじみもあり、
そっちは長い話をまとめたのでとっ散らかった印象が好みじゃない人もいるだろうけど、
今作は元が中編なのでうまくまとまって人物関係などものすごくキングらしい映画でした。
全体的には『ランゴリアーズ』(TVドラマ)がちかいかなあ。
ヒロイン役ローリー・ホールデンもキング物ではないけど『サイレントヒル』に出てて霧つながりな感じ。
原作とは違うと言うので話題のラスト、15分と言うより1分くらいか、
絶望が絶望を呼ぶと言う形はそこがまた評価の分かれ目なんだけど、
あまり賛成ではないですな。
後味が悪いからとかいう理由ではなくて、狙いとしてはわかるものの
話が小さくなっちゃった感じがして。
あっけにとられる様なスケール感が欲しかった。
そこは別に難点ではないのだけど、一つ不満点をあげると
『クローバーフィールド』とおなじく怪物のデザインがいまいち。

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アンドリュー・アダムソン監督ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
シリーズ物は2作目の方が面白い、と言う主義なんですが、たまに乗れないものも。
今作がそれで。映画的には前作より出来がいいかもなんだけど、
1作目を起点として発展して行くはずのところが
ただのお約束としての物語になってしまってる様な感じがします。
このくらいの密度なら2時間半もかけなくて2時間以内でもいい様な気もするし。
なんつーのはアスラン=キリストっていう立ち位置が知識としてしか理解できないからかなあ。

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内田けんじ監督『アフタースクール』
なんだかだまされる映画らしい、とまでは聞いてたのでそのつもりでみていたけど
それでも途中でえ〜〜〜!そうなの?の連続。
最近流行の脱力系かと思ってたらとんでもない。
撮り方にすごく計算した、きっちりした映画。
大泉洋 佐々木蔵之介 堺雅人の主役三人がはまって見えるのは
使い方がうまいと言うことで、伊武雅刀、山本圭までもそう。
小ネタも楽しいので、もうちょっとテンポよくてもいい方が好みなんだけど、
ついて行けなくなる人も出てきちゃうんだろなあ。
プログラムは学習ノートを模したもので、
袋とじになってるところもあり、なんだろと思ったらシナリオ採録。

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倉田恵子監督『放課後』@PFFの軌跡 フィルムセンター
女子高生がとった短編がぴあフィルムフェスティバルに入選して話題になった『放課後』
その監督からお誘いがあったのでいい機会といってきましたフィルムセンター。
ここも何年ぶりかなあ。
今回みたラインナップは
倉田恵子『放課後』(1分)
宇田川幸洋『おろち』(4分)
犬童一心『気分を変えて?』(30分)
笹平剛『教訓�』(35分)
当時からタイトルは知っていたけど未見のものばかり。

『放課後』その短さ以上の何かを思わせる巧みさ、
映画評論家としてはよく名前を見る宇田川幸洋の指向、
犬童一心の当時の自主映画のはやりをパロディにしたとも見える何かの爆発、
特に驚いたのは今は利重剛として知られる笹平剛のその年とは思えない上手さでした。
さて、倉田恵子と言う名前に覚えがある人は
かなりの『デジモンアドベンチャー02』好きではないかと。
シリーズ終盤に出てきた女の子の名前ですが、
その名前の監督は今は脚本家として
『デジモンアドベンチャー』や『ゲゲゲの鬼太郎』でお世話になってるのでした。

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周星馳チャウ・シンチー導演『長江七號 ミラクル7号 CJ7』
主人公の子供は貧乏で、親が無理して高い私立校に通わせてる。
これをタイトルバックも込みの冒頭2カットでわからせるのだから、
周星馳の映像センス恐るべし。
全編揺るがないですよ、その映画たる事への情熱とか。
話はもう見せすぎな予告編でだいたいわかる通り割りとありがちで、
タイトルになってる宇宙からの不思議キャラもそれほど飛び抜けて個性的でもない。
これまでの周星馳映画みたいな破壊的コメディと言う訳でなく、松竹かと思う程の人情喜劇。
(そりゃすげーバカな部分ももちろんあるけど)
でもその小品さがいい味わい。
大ヒットはしないんだろうけど、機会があればみて損はないはず。
なによりも映画として。

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 香港レジェント・シネマフェスティバル

シアターN渋谷で1週間だけ開催された日本未公開香港映画特集上映。
時間と費用の都合で見られた分7本の感想。

その1杜[王其]峰ジョニー・トー導演『赤脚小子裸足のクンフーファイター The Bare-Footed Kid1993

同じ映画祭で上映の『洪拳小子 ヒーロー・オブ・クンフー裸足の洪家拳』(1975)

のリメイク。

まだ若い郭富城アーロン・コックが武芸に秀でた純朴青年を演じてこれがもう可愛いくらい。
その純真さゆえ悪(『男たちの挽歌』では工場長でいい人だった曾江ケネス・ツァン)
に利用されてしまうのだけど、彼を助ける染め物工場の女主人が張曼玉マギー・チャンで
この頃の彼女が一番きれいなのではないですか。
ジャッキー映画に出てたあか抜けない頃とフランスに行ってからの貫禄のついた間の時期で。
その工場(染め物の色彩がすばらしい)の働き手で彼女と密かに惹かれ合っているものの
実はお尋ね者の狄龍ティ・ロン、郭富城の父の親友でもあり。
バリバリの武侠映画スターだった若い頃の映画も2本後で見るのですが、
このときは渋さ全開ここでは三節鞭という、
三節棍を棒でなく平ための剣状にして柄をつけたものをつかい、これが郭富城の父の遺品。
戦っても静かにしてても郭富城をしのぐかっこよさ。
張曼玉と狄龍は『必殺仕舞人』の坂東京山(京マチ子)晋松(高橋悦史)が
若返ったようなと言うとわかる人も……あまり増えないか。
まだ40前の杜[王其]峰ジョニー・トーの演出はたるむ事なく
若さも悲痛さも見せきってすごいとしか、って、このひとの古装片ってすごい珍しいような。
杜[王其]峰、狄龍、郭富城、張曼玉、劉家良ラウ・カーリョンそれぞれのファン必見の傑作。
原典の方もみてみたかったなあ。

『赤脚小子 裸足のクンフーファイター The Bare-Footed Kid』
そのアクションシーン

その2

張徹チャン・ツェー導演『殘缺 残酷復讐拳 Crippled Avengers1978

呉宇森ジョン・ウーの師匠として名前は知ってても実物見る機会のなかった張徹の作品。

町を牛耳る悪者によって眼、聴力と話す能力、足を失わされた三人。
敵を討ってやると乗り込んださわやかな武芸者は頭を締め付けられバカになってしまう。
彼を親元に送った三人は武芸を教えてもらい、復讐に乗り出す。

視力がなくても全然大丈夫なのは『座頭市』でわかる通り。
その座頭市でもシリーズ重ねてくらいでやっと出てくるくらいの
音関係の危機をテンポよく出してくる。
聴力と話す能力はバックミラーで後ろの敵も察知すると言うと『唖侍鬼一法眼』かそれ。
足を切られて人に至っては銕の義足でまるで普通の人。ただし蹴られたら即死。
と、まあ『ミラクルカンフー阿修羅』とか『片腕ドラゴン』とか
そういうのに比べると全然普通に戦える人たち話になってて、予想とかなり違う映画。
じゃあつまんないかと言うとそんなわけはなく、
やっぱ昔の映画って立ち回りのテンポゆるいよねなんてみてられたのは最初の数分。

三人の訓練場面も相当面白いのに復讐に戻ってからは
敵の親玉、その息子の鉄の義手、凄腕執事の鉄丸と剣がついた鎖、
客分の弾き矢と暗器、軽功使い、親玉の兄弟弟子の気功使いの鉄の体と
様々な敵と渡り合い、それがたいてい1対1でなく多対多で
あらゆる体の動かし方を見せてくれて器械体操や新体操を
いっぺんにやってるくらいのレベルの高さ。
金メダルクラスですよ。いやーもうすごかったなあ。

復讐に出る前に師匠から
「敵は人の手足を平気でつぶす悪い奴だが、殺人はしない。
客分もどういう素性と知って客になってる訳でもないだろう。
よく品性をみてどう対処するか考えるのだ」
なんていわれてたわりには敵を皆殺しにしてめでたしめでたし、
と言うのはえ〜〜〜〜っ!!なんですが。
70年代東映アクションものを思わせるズームの使い方などの映像スタイルはともかく、
張徹作品は相当面白いと言う事はわかったので
この前作で近々リメイクの噂もある『五毒』とか、
呉宇森『ワイルド・ブリッド 喋血街頭 』や『天堂口 Blood Brothers』の元になったという
『刺馬』も最新のリメイク『投名状』を見る前に見なくちゃあと思いました。

『殘缺 残酷復讐拳 Crippled Avengers』
そのアクションシーンほか

その3

何夢華ホウ・メンホア導演『油鬼子 液体人間オイルマン The Oily Maniac』1976

今回一番の、というか唯一のゲテモノ。
東宝映画に『電送人間』『ガス人間第1号』『美女と液体人間』と
一連の人間変化シリーズがありましたがそれにインスパイアされた香港版、とおもいきや。
実際のオイルマンはほとんど『魔鬼雨』みたいな外見。
なんでこんなののになるかと言う原因が科学的な事でも事故でもなくて、
父親が残した呪術というのがええ〜〜〜っ!
いや確かに映画冒頭に舞台は香港じゃなくてマレーシア、
今でも呪術は生きてるのだというような字幕がついてましたが。
その怪しい遺産を受け継いだのが李修賢ダニー・リー。
後年は『蝶血双雄 狼 男たちの挽歌・最終章』あたりで熱血刑事なイメージが強いのだけど、
この頃は『李小龍與我 実録ブルース・リーの死』でブルース・リーの役やったり、
『中国超人インフラマン』で変身してたりした頃。
この映画では片足が不自由で両手に杖がないと歩けない、鬱屈した正義感の強い青年。
勤め先が悪徳弁護士の事務で、いろいろ知ってしまった悪事に対して怒りが燃え上がり
「正義のために使え」と言われた呪術でオイルマンに変身、悪に鉄槌を下す!
そーなんですよ、変質者的な変形怪物かと思ったらなんと正義の味方なんですよオイルマン。
しかしその外見ゆえ世間からは連続殺人者の怪物としか思われません。
人間よりはヘドラとかの方が近い感じだもんなあ。
変身するとちゃんと歩くどころか走れる上に怪力、
もちろんただの油に変形して狭い隙間を抜けたりも出来るし、
撃たれても斬られても平気。頭が飛んでも大丈夫。
ほぼ無敵なんだけど、何しろ油なんで最後の急所は……

youtubeの予告編でそのラストまでわかっちゃいます。
イカゲテムービー好きなら押さえてて損はないけど、
普通の香港映画ファンにはお勧めしかねる1本。

その4

杜[王其]峰ジョニー・トー導演『十萬火急 ファイヤーライン LIFELINE』1996

『悪運部隊』とよばれる消防署の不器用なチーフ劉青雲ラウ・チンワン。
現場で出会った女医との恋は果たして…
新任の署長方中信アレックス・フォンは厳しすぎる人。かつて別れた妻子が…
黄卓菱/黄卓玲ルビー・リンは仕事に熱中するあまり夫と上手く行かない。が…
あとで杜 [王其]峰映画によく出てくる黄浩然レイモンド・ウォンはこれがデビューで新人署員。
それぞれのドラマが上手くいろんな事件と絡まって、結構満足したらそれでまだ60分。
そこからの45分がものすげー。
古い工場ビルでの火災が勃発、各所詰めかけるもてもつけられない有様。
他署員を逃がすため閉じ込められてしまった悪運部隊、
さらに中に逃げ遅れた一般人まで発見して、
と言うところに襲いかかる炎、爆発、崩落。
何しろ香港の何がどうなってるかわからないビルですからね。
題材からして『バックドラフト』 youtubeの予告編でもわかるように
音楽もそれっぽいところがたまに出たりするけど、
火の迫力は原典以上と言うか数倍。
文句無しにおすすめ。

その5

劉鎮偉ジェフ・ラウ導演『回魂夜 チャウ・シンチーのゴーストバスター OUT OF THE DARK』1995

これまでみた香港映画の中で好きなのはと言うと
『無間道 インアファナル・アフェア』や『英雄本色 男たちの挽歌』などのノワールもの、
成龍ジャッキー・チェンや李連杰.ジェット・リーのアクションもの、
あるいは武侠もの、古装片、杜[王其]峰ジョニー・トーの諸作などありますが、
1本にしぼるなら『射[周鳥]英雄傅之東成西就 大英雄』ではないかと。
とにかくもう考えられないくらいバカな事をすごい数のスターでやってのけたバカ映画の記念碑的作品。
その監督の劉鎮偉は周星馳チャウ・シンチーと何本か組んでるけど
あまり評判を聞かないある意味地味な1本がこれだったわけですが。
俺が甘かった。

youtubeの予告編でも話はさっぱりわからないけどバカな映画と言う事だけはわかるでしょ。
思った数倍バカな映画。一応話らしきものもあるけどどうでもいいです。
バカな思いつきを次から次にくりだしてここまで出来るのかと言うのがもう驚愕。
話もやる事もキャラクターも全部バカ。
もしテックス・アヴェリーが実写で長編をとったらこんな感じではないかと。
どういうひとなんだろう、この監督。

その6

孫仲スン・チュン導演『冷血十三鷹THE AVENGING EAGLE』1978

香港レジェンドシネマフェス、見た7本のうちラスト2本は
ショウ・ブラザース時代の狄龍ティ・ロン主演もの。
『男たちの挽歌』で唐突に見せた剣での立ち回りがやたらかっこ良かったのが気になってて、
あとの脇役で達人として少しアクション見せるものも
この映画フェスでの1本『赤脚小子 裸足のクンフーファイター』でやっとみて
他にビデやらで見てたけど若い頃の主演ものは未見だったので
スクリーンで見られるこの機会を逃してはいかんと。

結論から言うともう格好良すぎですよ。
『赤脚小子』では三節鞭というちょっと変わった武器をちょっと使ってたけど
今作では全編で三節棍。
千変万化、こんな使い方も出来るのかとそれだけで驚きの連続。
殺し屋として育てられた13人(このへんは『あづみ』)からある事件で心を取り戻し、
抜け出そうとするところに追ってくるかつての仲間(ここは『カムイ外伝』)
と言う訳で戦う相手は全部違う武器を使い、
それだけでも想像の数倍のバリエーションのアクションが。
さらに狄龍を助ける謎の男、傅聲アレクサンダー・フー・シェン。
一見何の武器も持ってないが腕に金筒を巻いてあり、さらに
とそこから先は youtubeの予告編でもみられます。
狄龍の三節棍もただの金属棒じゃないぞ。
ダブル主人公の傅聲、この人もアクションもすごくて
華があるのにその後どうしたのだろうと思ったら、
わかくして交通事故で亡くなられてたのね。
追っ手となる12人の殺し屋とその頭目も
ショウブラザースでは有名な人たちばかりらしいので
(そりゃまああれだけアクションできれば)
もっとショウブラ映画をちゃんと見てからまたみたい1本でありました。

その7

楚原チュー・ユアン導演『楚留香 武侠怪盗英雄剣・楚留香 Clans Of Intrigue』1976

香港レジェンドシネマフェス感想ラストは狄龍ティ・ロン今まで見た中で一番若いもの。
武術界の四大名手のうち三人が次々に毒殺。
盗侠と呼ばれる怪盗・楚留香(狄龍)が濡れ衣を着せられ捜査に乗り出す。
腕が立って美女を侍らせ人気もあり何をやってもさっそうとしてる美青年、完全無欠ですよもう。
『怪傑ズバット』もかくやという賭博勝負、中華一の殺し屋との友情、
多彩なアクションもおりませながら衣装やセットデザインが宝塚かと言う程華やか。
張徹のが東映アクションぽかったのに、こっちは大映映画みたいです。
youtubeの予告編でその画面をお楽しみください。
お話はと言うと、最近のテレビドラマシリーズだけでなく映像化が多い金庸に対し、
三大武侠作家と言われるうちの一人古龍のものはあまり見ないのは
台湾で活躍してたせいなのか、もっと見たい気もしますが。
その特徴はミステリ仕立てが多いこととはどっかで読んでたけど、
まあそれほどでもないじゃん、確かに派手な場面が続きながらだんだん謎が解かれて行くけどねえ、
が、物語も終盤にいたって驚愕の展開。
え、じゃあ犯人は?とそこからさらに思いもしないどんでん返し。
今時の日本のバカミスはまだまだ甘いのではないか。
続編もあるし原作も他の作品も読んでみなくちゃ。

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本木克英監督『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』
一種のバラエティとしては楽しめた前作に比べると話はシリアスめ、
そうなると返ってこのキャスティングでよかったのかとか演出の荒いとこも気になってきたりとか。
子泣き、砂掛けがちょっとあわなくなってきた感じの上に一反もめんの声は違和感あり、
まして変なつるべ火はいらんだろ。
緒形拳のぬらりひょんはいいですよ、蛇骨婆に至っては佐野史郎の面影がない程の怪演。
この二人は続編があればまた出てほしい。
CGがらみの場面は結構アニメ畑の人がコンテやってたみたいでしたな。

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スティーヴン・スピルバーグ監督『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』

久々の続編はやっぱりインディであったと言うどんな杞憂も吹き飛ばす快作。かつ怪作。
最新作であり総集編のようでもありあっと驚く要素もいれてさらに続編が期待できそうでもあり
どんな場面も映画らしさに満ちあふれてて、わかったつもりではいたけどスピルバーグってほんとに上手いなあ。
年くってもがんばるインディの姿どっかでみたようなと思ったらダーク・ピットシリーズの近刊が近い味わい。
とにかくこれは映画館で見ないとソンですよ。

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エドワード・ニューマイヤー監督『スターシップ・トゥルーパーズ3』
毎月1日は映画の日で1000円と言うのに
なかなかいける機会が少ないのが
今回はちょっと時間できたので
じゃあなに見ようか、選んだのがこれ。
『2』は見てません。
でもいいみたい。
まあがんばってるんだろけど全体に話がゆるくてアクションも何となくだらだらしてて。
でも今作の目玉はなんといってもパワードスーツ。
原題『STARSHIP TROOPERS 3:MARAUDER』にもあるマローダーですよ。
後半でいよいよ出るぞ。
でもどうせならもっと追いつめられてる感が出てくれ。
出た来た戦った。強い。
でも強いだけ。
なんかねーあっさりしちゃって。
大きさからいってもパワードスーツと言うより
乗り込み操縦系ロボットなんだから、
その見せ方はやっぱー日本のアニメの方が
先いっちゃってるんだなあ。
先日放映してた『パトレイバー』劇場版の方が盛り上がってました。
1000円でいい映画。

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ロブ・ミンコフ監督『ドラゴン・キングダム The Forbidden Kingdom 功夫之王』
ハリウッドが作ってるんでアメリカ青年が主人公で
ありがちな話になっててもそれは何の問題もない。
なにしろ李連杰.ジェット・リーと
成龍ジャッキー・チェンが共演なのだから。
クライマックスの戦闘より、中盤の二人の対決の方が
盛り上がって見えるのも当然。
動く同人誌にゲストで本物が参加したと言うものに
文句はありません。
同じ画面にこの二人が並んでること自体が
奇跡で至福というべきでしょう。
劉亦菲 リウ・イーフェイもよかったけどね。
『真夜中のドア』が『出ましたっ!パワパフガールズZ』の
エンディングだった時には仕事しときゃあよかったと。
ま、それはおいといて。
欲を言えば鄒兆龍コリン・チョウも李冰冰リー・ピンピンもがんばってるけど
もう一人くらい強い悪役が欲しかったかなー。
だいたいどんな役でも本人にしか見えない李連杰.ジェット・リーの孫悟空姿は
驚くくらい猿になってて、それがまたいかにも楽しそう。
歴代孫悟空役者でも最強でしょ。これで別シリーズ作ってほしいくらい。
他のキャストは……妄想止まらないのでここまで。
今月は『ハムナプトラ3』でまた李連杰.が見られると言うのもすごいですよ。

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ロブ・コーエン監督『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』
李連杰.ジェット・リー奇跡の同時期上映2本目。
監督の名前もどっちもロブだ。
ま、李連杰.は陶器になってたりキングギドラに
なったりするので本人の出番はわりと少ないんだけど、
秦の始皇帝を演ずるのに『HERO』で
その暗殺者やってたときの衣装に近い感じなのが
なんかいいです。
楊紫瓊ミシェール・ヨーとの戦いが見所。
平原でのCGの兵馬俑とかどーでもいいから
こっちをもっと長くやってほしかったなあ。
主人公チームが配役も描かれ方もぱっとしないし、
各シーンの切れ味も鈍く大味、
でもまあこのシリーズはわりとそんなもんなので
大して期待してなかった期待通り。
と終わりたいところですが。
パンフの表紙にも出てないところで重要な人が。
中国軍の将軍役で黄秋生アンソニー・ウォンですよ。
扱いは雑だけど、微妙にいいとこもってったなあ。
冒頭、李連杰と戦う相手に
呉京ウー・ジンがいたらしいのを
気がつかなかったー。くー。
この二人が戦うならもっと長く…。
エンドロール、主要スタッフの役職名が
中国語でも表記されるのがよございました。

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テレンス・フィッシャー監督『吸血鬼ドラキュラ』1958
今時こんな旧作を、とお思いでしょうが、
DVDなんかじゃなくフィルムで見られるとなると
かなり稀な機会。
スクリーンも大きくないし、音響もよくはないけど
もともとモノラルな訳だし。
でねえ、やっぱ発色と諧調が違います。
特に赤。朱色じゃなくて、真っ赤ですよ。
90分弱と言う尺もテンポいい。
映画って見やすいのはそれくらいなんじゃないかな。
何より若いピーター・カッシングとクリストファー・リーが
かっこいいに尽きはしますが。

 

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エドガー・ライト監督『ホット・ファズ 』
『ハムナプトラ3』シネコンで観賞後
ふと気が見るレイトショーでこれがやってる。
気になってる映画ではあった訳で、
新宿まで見に行く時間時間とれないから
見逃しかなーと思ってたのが
それならちょうどいいと。
ちょっと不安だったのは、
田舎を舞台にしたコメディと言う事で
ゆるいテンポのぬるいギャグで
気の抜けた笑いのものだったらどうしよう。
杞憂でした。
英国一のエリート警察官、田舎に左遷、
行く最中、着いてからの一見何もない生活。
ここのところを描くテンポが
実に小気味よくて秀逸。
そのまま事件起きなくても十分満足いく手腕。
ま、この映画の眼目はそこからの驚愕の展開と
あらゆるポリスアクションに
(なぜか)『オーメン』のパロディ
と言うよりオマージュのとこで、
それがまた大変熱い。
好きなんだなあこういう映画が、
ということがストレートに伝わってきて
微笑ましい、
なんて穏やかにみてられなくて
それに同調してエキサイトする自分という、
なんつーか『俺が撮りたい映画』
みたいな感じですよ。

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クリストファー・ノーラン監督『ダークナイト』
ヒース・レジャーのジョーカーが思ってた様な虚無的な絶対悪ではなかった。
時折自分の内側を覗き込む様な表情をみせてむしろ弱い人間とさえ感じさせる。
そこにあるのがフィクションめいた狂気ではなく、悪意だと思わせられてしまう。
理由のわからぬ悪意は狂気よりも遥かに現実的。
もしかしたらあなたがそうなるかもしれない存在。
だからこそ、怖い。
が、ジョーカーが一歩現実側にはみ出してきた事で映画の他のすべてがフィクション側に
置いてきぼりを食らって、バランスが狂ってしまった。
普通ならはっきりした倫理的な問題提起をしただろう脚本が、
どこかポイントがずれてはっきりした解決を見いだせなくなってしまってる様な具合。
それは意図した出来じゃなかったのではと思うが、
それだからこそアメリカで空前の大ヒットとなってるのかもしれない。
こちらとしては何か消化不良な感じがしたけど前作『バットマン・ビギンズ』と並んで
ティム・バートン版より好きなんですよ。
もちろん続編も期待。

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周杰倫ジェイ・チョウ導演『不能説的秘密 言えない秘密』
この8月は『ドラゴン・キングダム 功夫之王』
『ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝』で
李連杰.ジェット・リー出演作二本同時公開と言う
奇跡的な時期なんですが
実は『ハムナプトラ3 』と30日公開の
『男兒本色ムービング・ターゲット Invisible Target』で
呉京ウー・ジン出演も二本同時で、
(といってもハムナプトラの方はほんのちょっとしか出てないけど)
さらにこの『不能説的秘密』と『カンフーダンク』で
周杰倫も二本同時公開どっちも主役、
さらにこの『不能説的秘密』は初監督と言うすごさ。
いやー一体何が起きてるんでしょうか。
しかしじつは今作では周杰倫の父親役に(『頭文字D』に引き続き)
黄秋生アンソニー・ウォンで、『ハムナプトラ3 』とあわせて
黄秋生出演作も二本同時公開ですよ。すっげー。
音楽学校に転校してきた周杰倫は
謎めいた少女路小雨 ルー・シャオユーと出会い、
と言う前半はまあありふれたラブストーリイ。
後半あっと驚く展開とは聞いていたのに予想できず。
初監督とは思えない上手さ。

それ以上に上手いのは本職の音楽、
この学校の先輩とのピアノバトルなんてもう!
さらにそれ以上に路小雨 ルー・シャオユー役
桂綸?(金編に美)グイ・ルンメイが魅力的で。
こちら

音楽がすべての鍵になってる脚本も面白かったなあ。
『ベルベッド・レイン』の人なんだ、なるほど。
新宿武蔵野館に見にいったら、
作中の音楽学校の制服が展示してありました。



えー今時こんなむかしの少女漫画みたいな制服?
というのも一つの罠。

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朱延平チュー・イェンピン導演『功夫灌籃 カンフー・ダンク!』
周杰倫ジェイ・チョウ二本同時公開主演作の二本目。

台湾と言うとF4が有名なんだけど、この映画で周杰倫とバスケのチームを組む
丁 偉ディン・ウェイ役陳柏霖チェン・ボーリン、
蕭 嵐シャオ・ラン役陳楚河バロン・チェンも(のほうが)かっこいいっすよ。
狄龍ティ・ロンの息子譚俊彦ショーン・タムも出てたり
呉孟達ン・マンタ、黄一飛ウォン・ヤッフェイと
周星馳チャウ・シンチーの映画でおなじみの人も出てたり。
孤児の周杰倫の育ての親が高 雄エディ・コー、実の親が曾 江ケネス・ツァン
というのも豪華な感じの上に、劇中親代わりになるのが曾志偉エリック・ツァン。
『殺手之王ヒットマン』のときと同じ様な役所。
金儲けにめざといかとおもえばいい娘がいたりいろいろ幅も奥行きもあるとこがもう絶品に上手い。
どうしても『少林サッカー』と比べてどうも要素が多すぎてかまとめ方が上手くないのか
バラバラになりがちな映画のあちこちをきちんとつなぎ止めていて、
最後は芝居で持って行きます。
これに比べれは8分に2億4千万かけたと言うラストのCGはわりとどうでもいい。
そんな暇があったら試合をもうちょっとちゃんと見せてくれた方がよかったな。
とはいえ周杰倫の歌をかけたバスケシーンはかっこいいっす。
あ、蔡卓妍シャーリーン・チョイの眼鏡っ娘もポイント高いでしょう。

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ピーター・バーグ監督『ハンコック』
映画の日に意外と早く仕事終わったので
何か見ようと時間がちょうどよかったこれ。
ダメな男がある事をきっかけに
真っ当に立ち直ると言うありがちな話の骨格、
その男がスーパーヒーローと言う点を除けば。
と、ここまでは予告で分かる話。

途中から一応驚きの展開になり
一挙に世界が広がりそうな気がするものの
意外とちいさく終わってしまう。

いわゆるアメリカのスーパーヒーローって
ニューヨークとかメトロポリスとかゴッサムシティとか
その都市在住のローカルヒーローなんだということが実感されて、
その枠内ではきちんとまとまりはするんですけどねえ。

これだけの能力者がおおっぴらに活動してたら、
世界中から注目されてなくちゃおかしいでしょ。

不死身の男って髯をどうやって剃るのてな疑問に
リアルに説得力ある答えをだしてたりするもんだから
かえってそのローカルさに違和感が残るのでした。

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堤幸彦監督『20世紀少年』
22+2巻の原作を6巻まで読んでから見た三部作の1本目。
日本映画もその気になればこんなに原作そっくりの配役と画面で作れる
と言うのが第一の驚きと喜び。
脚本も映画向きのアレンジと省略もしてはあるけど必要最低限。
元のお話が面白いのだからそのままやればそりゃ面白いの。
この辺はき違えるのか映像は漫画と違うからとか
変な小理屈やプライドで似て非なるものを作るのは
これ以降なくなるといいなあ。
いろんな漫画やロックや昭和のガジェットで覆われているけど
子ども時代の仲間が数十年後、世界の危機に立ち上がると言うのは
スティーブン・キング『IT』
二本目以降はそこからまた違う話になって行くみたいなんで
楽しみに原作の続き読みました。

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八木毅監督『大決戦!ウルトラ8兄弟』
最新作のメビウスに初代、セブン、新マン、エースまでそろった劇場版前作
『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』を先日ケーブルテレビで見て、
しまったこれは劇場に行くべきだったと思いまして。
今回はさらにティガ、ダイナ、ガイアまで出てくる、と言うか
ティガのダイゴが主役。
正確に言うとパラレルワールドなんで
ティガのダイゴじゃないかもしれないけど
そんなことはどうでも良くて。
ハヤタとアキコ、ダンとアンヌ、などは夫婦で
レナはハヤタの娘とはなにがなにやら、
いや喜んでるしほめてます。
こまかいとこもいろいろ多くて郷の自動車工場には
岸田森の写真が飾ってあるなんてもう、あーた。
正直シナリオ的には甘いとこもあるんですが、そんなことより
今この時にこれが作られただけで万歳。スタッフうらやましい。

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ジョン・ファヴロー監督『アイアンマン』
予告ですべてわかる様なアメコミの設定を期待から1ミリの狂いもなく映像化。
天才富豪が個人用パワードスーツを開発、改造していくさまが実に楽しいので、
戦うとこは実はそんな多くないけど問題なくおもしれーです。
『スターシップトルーパーズ3』で外された期待はこちらで解消。
が、これ単体で楽しむと言うより再来年の『アベンジャーズ』を楽しみにする
と言うのがいいのかな。そうすると中東のテロも実は……
というあたり今風なつくりなんだけど、キャプテン・アメリカは
どういう立場で出てくるのかとか。
前作に当たる『インクレディブル・ハルク』もちゃんと見とくんだったなあ。
劇場で初めて見たグウィネス・パルトロウが綺麗でよかったんでそのあたりとかも。
ロバート・ダウニーJrは次にすぐ『トロピック・サンダー』見る予定。

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ティムール・ベクマンベトフ監督『ウォンテッド』
この監督の『ナイトウォッチ』『デイウォッチ』見逃したまますよ。
しまったなあ。
娯楽映画としてはとにかくもうめちゃくちゃなアクションのつるべ撃ち。
『ハンコック』があとで菊地秀行初期のある作品に似てるなあと思ったけど、
こちらもまたその奇想天外さはすごく菊地的。
銃弾の軌道を曲げちゃうんだからね。
ところがそう単純な映画でなくて。
アメコミでも大人向けらしいグラフィック・ノベルの原作とは
いろいろ変えてあるらしいけど元を読んでないので
結果としての映画は宗教や政治や歴史に関してわかりやすいのかそうでないのか
いろいろな暗喩であふれてて、特にユダヤ教やカソリック、
監督の出身地のロシア正教てどんな教義だっけとか思わなくもないですが、
とにかくなんだか奥深いですよ。

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マキノ雅彦監督『次郎長三国志』
この監督の前作の『寝ずの番』をテレビで見た時に
しまった、これはちゃんと劇場で見るんだった
と深く反省したんですよこの間。
初監督作とは思えない軽妙洒脱で緩急自在な語り口、
そして何より実に日本映画らしい娯楽作品。
ひょっとしたら今、日本で一番上手い監督ではないかと。
それが第2作目の題材が、かつてマキノ雅弘が何本も作った
代表作シリーズとあっては見逃すわけには行かないでしょう。
といってもその昔のシリーズをちゃんと見た事はなくて、
それでも次郎長に大政小政、森の石松、桶屋の鬼吉、法印大五郎、と
名前だけは知っていて、さてそれがどういう人たちかも
初めて見るのも楽しみで。
見ました。
リメイクと言ってもノスタルジイではなく、無理に現代風にする訳でもなく。
まるでこのての映画がもう何十本も続けて作られてる中の1本ですよ、
といわんばかりに肩に無駄な力の入ってない、痛快娯楽チャンバラ。
前作から引き続いてが多い出演者は
次郎長一家にしては老けすぎな気もするけど
どの人も芸達者で、
それがまた存分に生かされる脚本、演出。
とにかくほとんどの場面が名台詞、名場面と言っても過言でないくらい。
その割と多めの出演者が5、6人以上一緒に映る画面が多く、
それがまた日本映画らしい構図にしっかり収まってる絵作りが巧み。
きわめつけは終盤、
ある人物が死ぬ場面が一つ芝居の盛り上げどころなのだけど、
そのあとの敵討ちの殴り込みに移行する場面の展開が
台詞でなく画面で進む辺り、流れとしては
『男たちの挽歌2』と同じなのに呉宇森ジョン・ウーの
油っこい演出とは対極なこれぞ日本映画、と手を打つ見事さですよ。
すごいなあ、まいったなあ。
あとでケーブルテレビでマキノ雅弘のドキュメンタリー見たら
それがまたやたら面白くて、もとの『次郎長三国志』も
ちゃんと見なくちゃですわー。

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金田治監督『劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン』
テレビが終わったばかりではっちゃけまくった前作に比べると、
かなり落ち着いたと言うか真っ当な映画っぽいまとまりがあり、
かえって物足りない様な気も……。
いやそれは贅沢というものですか。
そもそもこれでさらばと言う感じでもないのだけど、
今まで以上に各イマジンがジークやデネブまで含めて出番が多く
個性も生かされ楽しいものになっております。
特に今回の舞台、江戸時代の風景がイマジンにこんなに似合うとはねー。
『次郎長三国志』とあまり間を空けずに見たら同じ場所、
太秦の映画村が使われててその映り方の違いも楽しかった。
後半のアクションシーンは特撮抜きで延々とチャンバラやったり、
映画らしく見応えあり。

前売り特典についてたデネブ人形。



入場者特典のマグネット。4種類ある模様。

パンフレットは7人ライダー勢揃いの折込みポスターがついてたりしてお得ですよ。


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西谷弘監督『容疑者の献身』

原作は直木賞受賞作でもあるし、
短編集のテレビシリーズ化も好評だった
長編の映画化。
主演の二人より犯人・石神の方が主軸の話で、
原作だと『ダルマの石神』とあだ名される丸顔の男が
堤真一と言う、意表をつく配役。
でも主人公湯川も原作とはかなりイメージ違えてあるし
女刑事なんて出てこないわけだしでそれは問題ない。
それ以外の要素は驚く程原作を忠実に映画化してて
柔道部だった石神が登山部になってるくらいか。
テレビの時にあった映像的ケレンもなりを潜めて、
きわめて真っ当に作られてます。
どちらかと言うと地味な話なんで、
映画でどっか派手にするかと思ったんだけどなあ。
原作でも短編時の特徴だった奇抜なアイディアの
物理トリックがないのが不満と言えば不満で、
ちゃんと出来てるものに対して無い物ねだりと
言われればそうです。

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張徹チャン・ツェー導演『五遁忍術 少林拳対五遁忍術 Five Element Ninjas 1982

今年は東京国際映画祭に全然行かず、渋谷でもちいさい映画館へ。
香港カルトシネマフェスティバル
その中から3本みました。
ただでさえアリャリャな事も多い香港映画で
さらにカルトってどういうことよ、と。
みると看板に偽り無しでしたねえ〜〜。すごい。

まず一本目は呉宇森ジョン・ウーの師匠
張徹チャン・ツェー監督の、わりと真っ当な活劇。
ただ敵役がタイトルにあるように
忍者である事が特徴。

ポスターなどにあるように金ピカの衣装つけてる金遁の術忍者
なんても出ますが、『赤影』の敵忍者にに比べるとまだまともだし。
使う武器はおおむねまともな忍者武器。
土遁の術だと地中からジャンプしたりするけど、
それもまあ風太郎忍法帳に比べればねえ。全然現実味のある範囲。

この映画、何が面白いかと言うとその早いテンポと武器の種類の多さ、
その組み合わせで活劇のバリエーションが豊富な事。

中国武術界を二分する二党派が覇権をかけて十本勝負。
ここでもう剣、槍、斧など種類多いのにこれがただのタイトルバック。
決勝戦で敵方の助っ人に登場するのが侍。
からくも敗れて切腹、その師匠の忍者王を呼ぶように
手紙のこしておいたのでわざわざ大陸にくる訳です、忍者軍団。
果たし状を送られて勝った方の党派が
金、水、木、火、土五遁それぞれの陣地に精鋭送り出します、
これが十本勝負で勝ちまくってた連中なんで強い…はずが
忍者の予想外の武器と攻撃にやられて全滅。

これはいかんと本拠地の守りを固めると忍者側は
くノ一を潜り込ませて守備を調べた上で総攻撃、
この党派は一人を除いて全滅。


これはいかんと本拠地の守りを固めると忍者側は
くノ一を潜り込ませて守備を調べた上で総攻撃、
この党派は一人を除いて全滅。

忍者王はもう一つの党派も皆殺しにして、中国制覇をもくろむ。
と、ここまでで前半ですよ。

一人生き残った男が忍者の修行もした武術家から対忍者武術を習い、
その弟子3人とたった4人で敵討ちに行くのが後半。

味方がやられた五遁の陣地に乗り込んで次々に忍者をやっつけて行きます。
ここで彼らの武器が斧だけでどうするかと思ったら、
その一部を外して三日月刀、
それに鎖つけて鎖刀、
斧の柄だけ持って棒、
その中から刃が飛び出て槍、
さらに縦に二つに別れて竹馬
と次々に変化して行く上に、
身につけた鎖帷子まで外して網にしたりと
アイディアてんこもり。
武器の種類だけで30以上あったんじゃないかなあ。
予告編でもその片鱗はみられます。

桂治洪カイ・チーホン導演『邪 ゴースト・オーメン Hex 』1980

渋谷で開催香港カルトシネマフェスティバル

3本みたうちの二本目
『香港の石井輝男』と異名を取る監督と言うので
まあ話半分にのぞんだら、これがねー。
まさにそうでした。
俺が悪かった。

1920年代の中国、没落した富豪の娘婿は粗暴で
使用人がどんどん出て行ってしまいます。
妻は病弱でそれをなんともできません。
とうとう二人きりになったところに、
昔世話になった使用人の娘が恩返しに来て看病してくれるのですが、
夫は彼女にも暴力を振るいます。
もう耐えられません。ある嵐の夜、とうとう惨劇が……

時代色の出たセット、色のいい撮影となかなかいい雰囲気で、
でもわりとありがちな陰惨家庭ものになるのかと思いきや。

シリアスな犯罪ものからまさに石井チックな
ショッカー場面を駆使したグロいホラーへ、
これが結構怖い、
そしてあっと驚くどんでん返し、
一転して怨霊祟りもの、
あるいは別系統の復讐もの?
と、ころころ傾向が変わって行ってまるで先が読めないのつるべ撃ち。
さらには耳無し芳市と『死霊の盆踊り』を足したようなクライマックス。
これをみればもう『ゾンビストリッパー』は必要ありませんね!
さらにえええーと驚くラスト。
いろいろつじつまが合わないところもある様な気もするけど、
このエログロてんこもりの前にはもうどうでもいいや。
いやーもうすげーなあ、この監督、もっと他の作品みたいかも
と思ったのは次の映画を見るまでの間でした。
ちなみにこの『邪』タイトルだけは続編が二本あるらしいですが
どんどんつまらなくなるとの感想も。


桂治洪カイ・チーホン導演『魔 デビルズ・オーメン The Boxer's Omen1983

香港カルトシネマフェスティバル

3本目

二本目の『邪 ゴースト・オーメンHex』が意外にもまともだった、
香港の石井輝男こと桂治洪カイ・チーホンこちらが本領発揮?

まず英語題に『ボクサー』とあるのがあれ?
ボクサーとオーメンてどうくっつくの?
そもそもオーメンてどういう意味だっけ。

と思ってるところに始まるキックボクシングの試合。
卑怯なタイの選手にやられて香港選手は再起不能。怒る兄。
別の日、裏社会取引現場で兄は危ういところを金色の僧侶の幻に救われる。
別の日にも金色の僧侶の幻あらわれる。さらにΛ型の光りも宙を飛ぶ。

タイに渡って敵選手に敵討ち試合を申し込む兄。
その帰りに見かけた寺の屋根が光ってる。
Λ型の光りはなんとタイの寺院の屋根だった!

その寺である僧侶が悪い黒魔術師と戦っていたのだが、
もうすぐ即身仏になる。
そこを黒魔術師が呪いをかけてきてるのだ。
呼ばれた兄は僧侶のかわりに戦わねばならない。
なぜなら僧侶とは前世で双子の兄弟だったからだ!




え〜〜、ついてきてますか?
でもこの映画の本領はここからですよ。

いきなり坊主になった兄対タイの黒魔術師。
この敵の魔術の儀式がもうげろげろ、ぐちょぐちょ。
出てくる魔物が悪趣味でチープでしかも次から次に繰り出されて、
もういいかげんあっけにとられたところでなんとか勝つ兄。

香港でキックボクシングの仇討ち試合。
黒魔術師は仲間を二人集めてまた呪いをかけてきますよ。
タイの寺院では即身仏の儀式中。ある意味トリプルクライマックス。
呪いで眼の不調に襲われた兄はまたタイへ。

即身仏なりかけ僧侶がいうにはこのままではお前も死ぬ、
ネパールに行って自分の前世の前世のときの仏舎利を手にするのだ!

そしてネパールの寺院で兄対タイの黒魔術師3人の最後の戦いが!
敵の仕掛けはもう腐ってたりなんだりでとてもここにかけないですよ。
なんだかわからなさ爆裂するイメージ、
この監督の脳は煮えてるんじゃないかと思い、
いや確信しました。

どんなぐちょぐちょイメージでも平気だちょっとでもみてみたい
と言う人はこちらとかこちらどうぞ。

ほんとは後日『如来神拳 カンフーウォーズ』みようかと思ってたのに、
なんかもー毒気に当てられてこのフェスはこの3本で鑑賞おしまい。


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杜[王其]峰ジョニー・トー導演『放・逐 エグザイル 絆』

去年のフィルメックスでかかった作品がやっと来月公開。
前売り券についてた応募券の抽選で試写会が当たったのでいってきました。
なにしろ主演のうちの二人、
黄秋生アンソニー・ウォンと
呉鎮宇(フランシス)ン・ジャンユーの
舞台挨拶付き。
ほんとはその前のファンミーティングに当たるとよかったんだけど、
そっちは40人だから無理。
ま、女性がほとんどだったらしいし。
試写会も900人のうち、800人以上は女性だったのでは。

上映前の黄秋生、呉鎮宇の舞台挨拶と言うかトークは
とにかくもう大爆笑でした。
映画の感想は前に書いた通りでどうせまた来月みるのでその時にでも。


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杜[王其]峰ジョニー・トー導演『胡蝶飛 僕は君のために蝶になる』

『放・逐』試写会に行った日は
フィルメックスの『文雀』前売り券買うわ
夜中にはBSで『龍鳳鬥 イエスタディ、ワンスモア』やるわで
個人的に杜[王其]峰ジョニー・トー大特集。

そこに足りないものが一つあると気がついて慌てて行ったのがこの映画。
恋愛映画って普段なら絶対みないジャンルですねー。

3年前に死んだ彼氏の幽霊が見守ってると言うストーリーは
「香港版『ゴースト ニューヨークの幻』」とかも
いわれてるらしいけどそっちはみた事ないので。

『功夫之王ドラゴンキングダム』で白髪魔女役だった
主演の李氷氷リー・ビンビンはいいですよ。
よく範氷氷 ファン・ビンビン と間違えそうになるんですけど。
そのすごくいい人の父親役に林雪ラム・シューとか、
やさしい精神科医役に張耀揚ロイ・チョンとかも見所。
死んだ彼氏の父役尤勇ユウ・ヨンは
『赤壁 レッド・クリフ』にも出てるらしいんでそっちも楽しみだなあ。
幽霊や幻影のシーンの見せ方が
カメラアングルや照明だけで工夫してるのがさすが。

そうそう、開演ギリギリで入った映画館、どうせ最初は予告編だと思ったら、
監督、主演二人のインタビュー映像から始まってました。
これから渋谷に見に行く方はご注意。
『放・逐』試写会の様子はこちらなど。

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ブライアン・デ・パルマ監督リダクテッド 真実の価値』

フェイクドキュメンタリーと言う技法は
『ブレアウィッチ』の様なホラーや
怪獣映画『クローバーフィールド』と
いかにもフィクションめいた題材に
リアリティを与えるのに有効だと思ってたのに、
今作のように事実を元にした、
しかも重いテーマの場合ものすごい力となります。
当たり前の様な話なんだけど。
だからかえってそこにいつされるものが嘘っぽく見えるとダメ、
そこがデ・パルマだから地味なとこもうまいし。
とかなんとかいってる余裕もなく、
技法とか監督とか役者とかよりも
戦争とは、人間とは
と言う事を考えざるを得ない出来です。
昨日今日の事でいえばオバマはどっちにいくんだろうなあとか。

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杜[王其]峰ジョニー・トー導演『文雀 Sparrow』

11月末にフィルメックスで見たので
パンフがなく、あちこちから集めた画像

このあと一般公開の『放・逐 エグザイル/絆』では
楽しそーに悪役してた任達華サイモン・ヤムが主人公、
同じように裏社会の4人組だけど今回の職業は掏摸。
仲間の一人は『放・逐』でマカオのボスだった
林家棟ラム・カートン

その任達華の部屋に小鳥が一羽迷い込んでくる幕開き。
タイトルの文雀は雀でも燕でもなく文鳥の事でした。
そこだけでもかなりムーディに撮られてるのに、
そのあと謎の女性に遭遇。
仲間の三人も同じ女に次々に遭遇し、
ある事に巻き込まれて行く……

それがまたどれも台詞ほとんどなく
美しい上手いシークエンスとして
組み立てられてて、
なんかもう高級腕時計かなにかのCMを見てるよう。

『放・逐』や『鎗火 ザ・ミッション 非常の掟』が
かなーり男向きの映画として作られてるのに対して
これは女性受けもするんじゃないかなー。
呉宇森ジョン・ウーでいえば
『縦横四海 狼たちの絆』みたいな感じ?
もちろんやろーどもが見てもすごく面白いですよ。
特にポスターなどにも使われてるクライマックス、
全員で傘さしてるとこは下手な映画の銃撃戦を
遥かに上回る緊張感と痛快さ、圧倒的な映像で必見。

 

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ショーン・エリス監督『ブロークン』

東京ではテアトルタイムズスクエアでしか上映してない、
カメラマン出身監督のスタイリッシュな
サスペンスミステリーと言うので期待してみましたが。
写真の構図と映画の構図では美しさの基準が違う、
当たり前ですね。
被写体である登場人物は動くし、
そうでなくても時間軸上に配置されて
動く映像であると言うところから
映画の美しさは出てくる訳だし。
音響との絡みもあるし。
ぶっちゃけ映像美としてはその前に見た
『文雀』の方が遥かに上。

じゃあ、お話としてはとかホラーとしてはと言うと。


もう早めにネタばれちゃうし、
どこかで見た様な場面ばかりだし。
今時シャワーで人が襲われるなんてのを
パロディでもなく入れるか普通。

映画の日で1000円で見てよかったな。

 

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ミカエル・ハフストローム監督『1408号室』

原作は読んでないんですが、スティーブン・キングものの映画化では
かなり良かったんではないかな。
短編の映画化でいろいろ要素は付け加わってはいるのだろうけど
基本はホテルの一室のみ、人物もジョン・キューザックの一人芝居が8割くらい。
それでよく持たせる工夫してるなあ、何でもない小道具を怖く見せる使い方とか
現れる怪異の順番なんかも教科書にしたいくらい。
ラスト、どうやって終わらせる、と言うより
これで終わりだとどう観客を納得させるかが難しい展開になっていったのが、
上手くまとめててなるほど。

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呉宇森ジョン・ウー導演『レッド・クリフ Part1』

話は面白いに決まっていて
登場人物すべてかっこ良く見せ場あり
ほとんどすべて名場面、
大群も撮影もセットもこれ以上はないくらい、
ちゃんと鳩も飛ぶし、
一つだけある難点はこれで完結してない事で、
それはまた今作に匹敵するか
それ以上の続きを見られると言う
最大の長所でもあり、
文句の一つもあろうはずがありませんが
早く続きが見てーよ。

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杜[王其]峰ジョニー・トー導演 『放・逐 エグザイル 絆』

杜[王其]峰『鎗火 ミッション/非常の掟』の時に
この続編が見たいものだと思ったのが、
正式な続編ではなく姉妹編とはいえ
ほんとにあのままの配役で見られるとは、
と、それだけで満足なくらい。
去年のフィルメックスで見て、
黄秋生アンソニー・ウォン
呉鎮宇(フランシス)ン・ジャンユー
舞台挨拶付き試写会で見て
この一般公開で三回目。
見飽きませんねえ。とにかくかっこいいんだもの。

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ベン・スティラー監督 『トロピック・サンダー 史上最低の作戦』

半分くらいまでは予告のような
「おいおいどーなるんだこれ」的な
悪ノリのきつい映画だったのに、
後半何となく上手くまとまっちゃって、
よく出来たコメディに。
それはそれでいいんだろうけど、
もっとめちゃくちゃな映画を期待してたので
なんだか肩すかしでした。
いろんな映画のパロディやハリウッドへの皮肉、
主演三人のバカな芝居なんかは卒ないくらい高レベル。

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アンドリュー・スタントン監督『ウォーリー』

人間がいなくなって700年後の荒廃した都市で
ただ一台だけ働き続けるロボットの孤独な姿。
これが後半の舞台、一種のユートピアにいくと、
そこが何もしなくても幸福に過ごせるというのが
ものすごい悪夢のように思えてきて、
かえって元の無人都市の方がいいところの様な気にさせます。
ま、人間が出てきた辺りからわりとありきたりのお話しになっちゃうのが
ちょっとガッカリな気もする訳ですが、よく出来てるのは間違いない。
好きなのは修復室にいた連中、
『トイストーリー』で隣の家にいたオモチャたちまんまなかんじで、
特に傘型ロボットとか唐傘お化けにしか見えなくてメカ妖怪軍団の雰囲気。
活躍の仕方が実に好み。
エンディングが3Dじゃなくてなにげにすばらしい。

併映で広島でも見た短編『マジシャン・プレスト』
これが何回見てもよく出来てておすすめ。

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