時々思いついて書く映画の感想

2002

01/03

バズ・ラーマン監督『ムーラン・ルージュ』

キャメロン・クロウ監督『バニラスカイ』
01/14 出崎統監督『ハムハムランド大冒険』
01/18 ピトフ監督『ヴィドック』
01/24 ヒューズ兄弟監督『フロムヘル』
02/01 雑賀俊郎監督『Hogi-Lala(ホギララ)』
02/07 クリストフ・ガンズ監督『ジェヴォーダンの獣』
02/21 岡本喜八監督『助太刀屋助六』
03/04 東映アニメフェア『暴走デジモン特急』
04/02 高山文彦総監督『WXIII PATLABOR THE MOVIE3』
04/03 ジョン・ムーア監督『エネミー・ライン』
リドリー・スコット監督『ブラックホークダウン』
04/09 ピーター・ジャクソン監督『ロード・オブ・ザ・リング』
05/08 ジーン・デ・セゴンザック監督『ミミックII』
05/12
05/13
05/17 アレハンドロ・アメナーバル監督『アザーズ』
06/10 周星馳監督『少 林サッカー』
07/02 ジョージ・ルーカス監督『スターウォーズエピソードIIクローンの攻撃』
07/08 ギレルモ・デル・トロ監督『BLADE II』
07/15 ジョン・カーペンター監督『ゴースト オブ マーズ』
09/11 クリストファー・ノーラン監督『インソムニア』
09/13 スティーブ・ベック 監督『13ゴースト』
09/18 渡辺勝也 監督『劇場版忍風戦隊ハリケンジャーシュシュッとTHE MOVIE』
田崎竜太 監督『劇場版仮面ライダー龍騎EPISODE FINAL 』
09/19 北浦嗣己 監督『劇場版ウルトラマンコスモス2THE BLUE PLANET』
鈴木清監督『新世紀劇場版ウルトラマン伝説』
09/20 村井さだゆき脚本 今 敏監督『千年女優』
09/24 M・ナイト・シャマラン監督『サイン』
09/25 清水崇監督『呪怨』
11/07 ゴア・ヴァービンスキー監督『ザ・リング』
11/22 マーク・ペリントン監督『プロフェシー』
12/28 クリス・コロンバス監督『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
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2003年の感想に行く

バズ・ラーマン監督『ムーラン・ルージュ』

ラブストーリーとか恋愛映画にはまったく興味がわかないんですが、
これはミュージカルがらみなので見に行きました。
音楽系とかバックステージものには非常に弱いのです。
19世紀末のパリを舞台にしながら現代の楽曲を使い、
という趣向についてはもう有名なので。何を使ったかじゃなくてどう使ったか。
で、結果はというとこれが大傑作。撮影も照明も衣装も振り付けも編曲も編集もすげえです。
音楽が画面からあふれ出してます。高校生の頃に見たらこういう映画を
作りたいと思ったに違いありません。
「何気ない日常を淡々と描く」ような映画とは対極をなしててグー。
こうでなくっちゃあ。語り出すと映画本編より長くなりそうなのは久しぶりでした。
あと5回くらい見たいところ。

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1日は映画の日で1000円だったので、これでやめときゃいいのにもう1本はしごしたのがこちら

キャメロン・クロウ監督『バニラスカイ』

ヨーロッパ映画をハリウッドでリメイクして面白くなった例って何かあるんでしょうか?
たいしてひねりのないストーリー、盛り上げる気のないサスペンス。
どうにも主演のトム・クルーズが思い上がってるだけにしか見えないし。
この映画までそんなにきらいでもなかったんだけどなあ。崩れた顔のメイクとか、
『顔のない天使』のメル・ギブソンくらいにはやってくれないとねえ。
『フランケンシュタインの逆襲』のクリストファー・リー並でもいいですが(笑)
とにかく全然可哀相に思えないのが敗因。
カート・ラッセルがなんと精神科医役で凄いじゃんと思ったらラストで…………( -"-)。
キャメロン・ディアスは(悪い役だけど)かわいいです。
でも、ヒロイン役のペネロペ・クルスの方が魅力的なのは仕方ないところかと。
この人が同じ役で出てるという元のスペイン映画『オープン・ユア・アイズ』も
見てみたいという気になります。そっちはトム・クルーズ抜きだし。
1000円で見るにはちょうどいい映画だったかな。
その『オープン・ユア・アイズ』の監督が『ムーラン・ルージュ』の主演
(にしてトム・クルーズと別れた)ニコール・キッドマンで撮った『アザーズ』も
公開したら見に行きたいですね。
TVでやってたジュリアン・ニコルソンの『ジ・アザーズ』とは全く別物なんだけど。

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出崎統監督劇場版とっとこハム太郎
『ハムハムランド大冒険』

変形パンフなんでほんとはもうちょっと上の方があるんですが、それはともかく。
『ブラックジャック』を劇場で見損ねたので、出崎監督の劇場版アニメは久しぶりでした。
いやーおもしろかったー!
話なんかどうでも良くて、えらいテンションでずーっと行ってしまうという驚異の50分。
これだけ見て帰ってしまう小さいお子さま連れも多かったのですが、
十分満足でしょうというかこれだけに金払っても惜しくないですね。


あ、一応併映も見ましたよ。脚本段階の出来は良かったかもとは思うんですが、
「ひどい脚本で突っ込みどころ満載のくせに見てると意外に面白い」という
変にだまされたような前作にくらべると今回のは何故か乗りにかけるというか、
映画としてのリズムがうまくかみ合ってない感じで、前作の方が好きかも。
それよりデジモンシリーズって怪獣ものとして良くできてるんじゃんと再確認したりして。

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ピトフ監督『ヴィドック』


正月に見た『ムーランルージュ』と舞台は同じパリ、
さらにさかのぼること数十年ってとこですか。
CF出身の監督の映像はアップが多い上に
細かいカット割と編集でめがまわりそうでしたが、
赤方偏異した映像美はなかなか。
いかがわしい筋立て、珍妙なトリック、微妙な時代背景と
最初はまるで山田風太郎の明治ものみたい、と見てたんですが、
基本的な素材は怪人対名探偵なので、見終わると一番近いのは
明智小五郎ものだったと言うことに気がつきました。
これから見る人にはちょっと後ろの方の席をお勧めします。
予告でかかってた切り裂きジャックものの『フロム ヘル』もおもしろそうだなー。



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ヒューズ兄弟監督『フロムヘル』


主演のジョニー・デップ、吹き替えならデジモンでおなじみ
平田広明さんが定番ですね。どことなーく頼りない感じがぴったし。
今回は切り裂きジャックの捜査に当たる敏腕警察官、
でも阿片好きで幻覚で事件の真相に迫るという、
まあ他の配役では説得力の薄くなりそうなところを見事にこなしてます。
稲垣吾郎チックな髪型で三上博史にも桑名将大にも似て見えるんですが、
一番似てるのは若いころの本田博太郎では、っつーとファンに怒られそうかな。
先週見た『ヴィドック』のパリから数十年後のロンドンを見事に再現した映像は
その猥雑さも暗さもいうことなし。
その風景のなかでどうもそのジョニー・デップが浮いて見える気もするんですが、
彼のおかげで映画としての花があるのも確かだし、
でもたとえばこの役を若いころのドナルド・サザーランドとか
マイケル・ケインがやってたらもっと好きな映画になったかもしれないし、
むつかしいところ。


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雑賀俊郎監督『Hogi-Lala(ホギララ)』


高校の同級生、当時はラグビー部にいてまさかこいつが映画監督を
目指してたとは思いもしなかった雑賀俊郎の第2回監督作品。

角銅はちょっとだけこの映画のお手伝いしたので、
IMAJIKAの第1試写室でのスタッフ試写に混ぜてもらいました。
今時の映画なので予算が厳しいなか、監督としてはよく頑張ってます。
ちょっと脚本が弱かったんだけど、ほぼ全編奄美大島でロケした映像は実に綺麗でした。
IMAJIKAの試写室は、150人くらいは入るかな、
椅子は大きいし音響も素晴らしく映写はクリア、
と、ここでもっといろんな映画を見たいもんだと思いました。

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クリストフ・ガンズ監督『ジェヴォーダンの獣』

『ヴィドック』からあまり間をおかずに見るフランス映画。
っつーか、これまでフランス映画なんて3年に1回くらいしか
見てないよーな気もすんですが、なんかここんとこのフランス映画って
随分変わってきてるってことなんでしょうか。
元があまりそちら方面に詳しくないので、
この2本がたまたまそうなのか判断に困るところ。
あ、去年の『クリムゾン・リバー』もちょっとそういえばそうだったかなあ。
肝心の内容ですが、その『ヴィドック』からは50年くらい、
『フロムヘル』からは100年くらい前のフランスが舞台。
その2作が日本でいえば明治ものみたいな雰囲気だったのに対して、
今度は江戸時代ですな。
と、思ったらなんとほんとに時代劇でした!!
そんなこと予告編ではさっぱり予想できなかったよー。
東映なら萬家錦之介とか大友柳太郎の出てたものを
今風に翻案しましたという感じで。
岡本喜八監督だったら主演仲代達哉、助演佐藤允、敵役岸田森っつーとこ。
あ、ぴったしだなこれ。
とにかくここんとこ見たちょい古い時代を舞台にした映画のなかでは
一番面白かったのでした。


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岡本喜八監督『助太刀屋助六


もうこの映画に関してはぐだぐだと余計なことはいわない。
間違いなく今年の日本映画ベストワンでしょう。
往年の喜八映画のキャストがずらりとでてくるのも楽しければ、
山下洋輔でありながらちょっと佐藤勝を思わせる音楽もたのしい。
でも、なによりこのいかにも映画を見た!と思わせる監督の手つきの鮮やかさが、
今のどの映画よりも若々しいことが素晴らしい傑作。何回でも見たい。


東映アニメフェア『暴走デジモン特急』


公開直後も上映最終回ともなるとわりとすいてるので、観やすくて良かったです。
今回は、劇場初挑戦といえどもTVシリーズを知り尽くした
スタッフによるだけあって、イメージを損なうことなく、
と言うよりは各キャラの持ち味を最大限に生かしつつ
全員をうまく活躍させる30分という、密度の濃い内容。
是非ご覧下さい。

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高山文彦総監督『WXIII PATLABOR THE MOVIE3』


まえにもちろっと書いたように、絵コンテで少し参加してます。
まるきりモンスターホラーな場面だけ担当(笑)
その仕事の少し後に来たデジモンアニメ化の企画の際、
一番意識したのは『ウルトラマンティガ』だった、
とは機会あるごとに書いてますが、『アニメによる怪獣もの』という
コンセプトについてはこの作品から学ぶものも多かったのだなあ、
というのが見たあと思いだしたところ。

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ジョン・ムーア監督『エネミー・ライン』

リドリー・スコット監督『ブラックホークダウン』

軽い任務のはずが、とんでもないことになってしまったという戦争映画が同時に公開されるとは。
大作だし、巨匠だしって事で世間の耳目は『ブラック…』の方に集まってるような気もしますが、
映画としては『エネミー』の方がおもしろかったです。
『ブラック…』の方は確かに現実にあった事件を基にして、というかそのまんま再現してるんですが、
それがどういう問題意識を提出するかというと「答えを出すのは観客だ」なんつって、
戦争の映像を撮りたかっただけでホントは何も考えてないでしょう監督、というかんじで。
さすがに映像は凄いことは凄いんだけど、よくできた箱庭感も否めないところ。
たまに挿入される人間ドラマっぽいところが妙に映画めいてて嘘臭かったりね。
で、『エネミー』は確かにストーリーはフィクションなんだけど、
そこから見るからはっきりしてくる現実感もあり、問題意識は強烈にあるんだけど
作るのはエンタテインメントだぜと言う心意気もあり。
クライマックスは握り拳ですよ、もう。

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ピーター・ジャクソン監督『ロード・オブ・ザ・リング』


いやー、やっとこさ見て参りました。吹き替え版で。
最近になって原作を読んだものとしましては、正直なところ翻訳、
特に台詞回しが違和感あったので、映画の方が自然な感じがしてよかったです。
もういろんなところでさんざん傑作と言われてるので、今更付け加えることも
あまりないんですが、風景も美術デザインも撮影も素晴らしいのはもちろんのこと、
映像になって一番際だつのは各人物の色合いがはっきり出てることでしょうか。
原作の『旅の仲間』ではほとんど姿を現さないサルマンはもとより
おなじみの登場人物達も。特にメリーとピピンとかね。レゴラスの立ち回りにもビックリ。
ボロミアのクライマックスなど、ここまでくさくやるのか、
というテンションもお上品ぶってなくて実にいい。

で、まあ、この原作から派生した膨大な作品群があり、
さらにそれらに影響を受けたつもりで『デジモンアドベンチャー』は作ってたんですが、
ぐるりと回ってもろにかぶってるところも多かったんだなあと今頃思うのでした。
それはこの続きの方がさらにかぶってるはずなのでそれも楽しみです。


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ジーン・デ・セゴンザック監督『ミミックII』



くにおんさんが仕事の都合で行けなくなった試写会に行かせてもらいました。
前作は、たしか東京ファンタのオールナイトで見たんじゃなかったかなあ。
色々あって遺伝子研究の結果生まれた人間大で、しかも人間に擬態(ミミック)する昆虫
ーって、まあその姿はほとんどゴキブリーが襲って来るというのは前作の通り。
でも、どうやら前作よりは随分予算が少ないらしく、
スケールが小さくまとまっちゃたのは難点。
主演も前作のミラ・ソルビーノ見たいに有名な人でもないし、
なにより地下迷宮廃墟マニアを喜ばせたあの大馬鹿なクライマックスが
今回は普通なところになってるのが残念かと。
でもまあこの映画単体としてみれば結構楽しめます。
特に虫嫌いな人たちにはいや〜〜な感じ満載でよろしいのではないでしょうか。
試写会は成人女性が多く、明るくなったところで見ると
結構引きつった人が多かったのでした。
キャッチコピー『暴走する進化は誰にも止められない』は
デジモンでも使いたいですな(笑)


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原恵一監督クレヨンしんちゃんアッパレ!嵐を呼ぶ戦国大合戦

公開終了ギリギリで見てきました。黒沢明による戦国自衛隊、っつー感じでしょうか。
その合戦や城の作りをはじめとする天正2年のリアリティ、
にもかかわらず横溢するしんちゃんギャグ、無駄のない構成と、見事というほかない出来。
全く方向性の違いそうな世界を舞台にしてなおかつしんちゃんらしさを失われずにいられるのは、
さすがTVシリーズをずっとやってきたスタッフならではの仕事と思われます。
逆に、そうだからTVとはどこまで違う舞台に出来るかもわかるわけで。
作りとしちゃあ大冒険。
劇場作品としてはもう10作目で、それに関連した本も出る予定。

サム・ライミ監督『スパイダーマン』

こっちは公開初日に見た映画。GWに先行公開はあったようですが。
サム・ライミ作品でいえば『ダークマン』にとても近いし、
だからもともとこういうのをやりたくて『ダークマン』作ったんだなあ
ということはよくわかり、ほかのヒーローものとどこが違うかという点を突き詰めると
平井和正・池上遼一『スパイダーマン』に凄く近くもあり、
でも最近そっくりの映画見たよなあと思い出すと『アンブレイカブル』がそうでしたねー。
その奮闘にも関わらず主人公が追いつめられていく状況は、見ていて辛いものの、
それでもなお確固とした決意をしていくあたりがヒーローたるところ。
ティム・バートンの自己憐憫バットマンはどうも受け入れられなかったぼくは
こちらはよく納得のいく映画でした


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アレハンドロ・アメナーバル監督『アザーズ』

しばらく前にTBSで深夜やってたアメリカのTVドラマシリーズ
『霊能者アザーズ』とは全く無関係。
あっちはあっちで、主演のジュリアン・ニコルソン含め傑作エピソードも多く
好きな番組だったんですが、こっちは『バニラ・スカイ』の原案
『オープン・ユア・アイズ』(はまだ見てないんですが)
その監督のものっつーのでかなり期待してみました。
あ、音楽まで自分でやってるのね。
ニコール・キッドマンがヒッチコック風に綺麗で、館がなんとも素晴らしく
うち的にはそれだけでもオッケーではあるものの。

ちなみにパンフは凝った作りで、上の方だけシールで閉じてあっ
て重大なネタバレ防止になっています。
でもね、そのネタバレっつーのがあんまりたいしたことなくて、
『トワイライト・ゾーン』あたりで30分ですみそうな感じなのよ。
絵作りも演出も悪くないだけに、こういう話の脚本は
イギリス人に書かせたらどうかと思うわけで。
ひねりがないというか、ストレートっつーか。
なんかいろいろ惜しいような気分の映画。


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周星馳監督『少 林サッカー』

2002年を舞台にして、主人公がサッカ−好きの小学生だった『デジモンアドベンチャー02』で、
ワールドカップの話題が出なかった一因は、
その日本チームの動向がなんとも予想できなかったからでもあります。
こうなるんだったら、優勝とまでは行かなくても決勝リーグ進出、
くらい言っておけば良かったなあなんて。

それはそれとして、見てきました!話題の映画『少林サッカー』。
噂に違わぬバカ映画!
時間の都合で吹き替え版でなく字幕版だったにもかかわらず、うちの子どもも大爆笑。
たいして難しいセリフ出るわけでもないしね。
どこまでもくさくしつこく品がなくコテコテのサービス精神吹きこぼれ状態。
全体の流れはまあありがちというか定番なんだけど、それをいかにきちんとやるか、
きちんとやるといかに面白いかと言うことの見本。
こういうのは香港映画はホントに上手くて、匹敵するのは『ギャラクシークエスト』くらいでしょうか。

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ジョージ・ルーカス監督『スターウォーズエピソードIIクローンの攻撃』

まあ当然のように先々行ロードショウで見てきました。
当日のことは一緒に見た柴尾英令くんや高瀬美恵さんや
これではじめてお会いしたさくんまあきらさんの日記などにもありますが、
映画の感想も色々書いてあるので未見の人はリンク先に行かない方がいいかもです。
フィルム鑑賞だったので映画の感想はまた後日、DLPで本公開時に見直してから、ということで。
一つだけいうとクリストファー・リーがめちゃめちゃかっこよくてそれだけでもお腹一杯でした。
このパンフレットが800円とちょっと高いんだけど、内容が下手なムックよりよほど充実しててお買い得。

で、まあ後日大泉のDLP上映で再見。

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ギレルモ・デル・トロ監督『BLADE II』

監督は『ミミック』の人なので、地下トンネル廃墟回廊下水道隧道その手が好きな人には
堪えられない映像が続出。
今回の敵、吸血鬼から出てそれを凌駕したリーパーも口蓋の構造が昆虫化してて、
『ミミック2』よりもこちらの方が正統な続編ぽいです。誉めてます。
主人公も前作にあった悩みとか迷いみたいなもんが吹っ飛んでて、
さらに力を合わせることになる吸血鬼から選ばれた7人の戦士の風貌なんかとあわせて
これはまさに菊地秀行の世界ではありませんか。
「D」と「妖魔」シリーズが合体したみたいなかんじ。
話にちょっとひねりが足りないような気がしないでもないけど、
かっこよければいいのだ的な乗りで押し切るのでこれでオッケーでしょう。
日本でもこういうの作ってくれないかなあ。

なぜかパンフレットを売ってなくて、替わりにチラシのような新聞のようなのをもらいました。

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ジョン・カーペンター監督『ゴースト オブ マーズ』

カーペンターの新作をいかに多くのファンが待ちわびていたか、
13日の初日第1回上映は補助席まで出る満席状態。
とはいっても渋谷、横浜二館だけの上映でしかも客席数百ちょいくらいですが。
出来は、というと。もうどこをとってもカーペンター!
登場人物全員意味なくかっこよくしかもバカ、
火星が舞台でもレーザー銃なんか出てこなくて鉄砲打ちまくり。
そこにおなじみカーペンター音楽が乗るという、まあファンは迷わず劇場に行くべしと。

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クリストファー・ノーラン監督『インソムニア』

かなりよれたとはいえ刑事役はお手の物のアル・パチーノにサイコ系犯人がロビン・ウィリアムスという
すっげー配役。
ほんとは『13ゴースト』見ようと思ったのに、池袋のレイトショーは終わってしまってったので、
急遽こちらに変更。
『メメント』(未見)の監督の仕事は地味ながらしっかりしたもので、楽しめたんですが、
小さくしっかり作りすぎな感もあってこの監督の壊れたものも見たいなーとか。

後にDVDで『メメント』見まして。こっちもやっぱり地味でしたねー。構成はトリッキーだけど。

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スティーブ・ベック 監督『13ゴースト』

まー、今日は何しろ13日の金曜日ですからー。
『マトリックス』のジョエル・シルバー『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキスが設立した、
ギミックホラー監督ウィリアム・キャッスル作品リメイク会社「ダーク・キャッスル」制作
『TATARI』に次ぐ第2弾。『TATARI』は劇場で見損ねてたんですが、
『セッション9』っつーくそつまんねーのを劇場で見ちまったもんで、
口直しにDVD借りてみたら結構面白かったんですよ。万民に勧めるわけではないですが。
監督は替わっても志は変わらないに見えるこの映画、是非とも劇場で見なければと言ってみると
まあ見事に予想通りで、脅かしと異形に満ちた、安心して見れるホラー映画。
万民には勧めませんが。ガラスとスチールとワイヤーと歯車で出来たゴシック館が素敵。
公式サイトも結構いかしてます。
詳しいストーリーや出演者はそちらで見てもらうとして、パンフレットもちょっと変わってます。
トールサイズのDVDと同じようなパッケージで、中にパンフとCDロムがはいってます。
CD自体は予告編のムービーと、公式サイトへのリンクが付いてるだけなんですが、
なかなか楽しいですよね、こういうのも。
何年か経って公式サイトが無くなっちゃったら価値半減か。

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渡辺勝也 監督『劇場版忍風戦隊ハリケンジャーシュシュッとTHE MOVIE』
田崎竜太 監督『劇場版仮面ライダー龍騎EPISODE FINAL 』

子供向けだからといって人が死んでいけないって事もないし、バッドエンドでもかまわない。
でも、誰に向けて作ってるのかが不明になるようではTV作品の劇場版としては問題あるんじゃないのかなあ。
加藤夏希は可愛いし、画面作りもがんばって凄いものになってるだけに
なおさら劇場に来た子ども達の置いてけぼりっぷりが残念です。
大人だけに受けたいのだったら別の題材でつくって下さい。
もう一つの問題というか疑念はホントにTVの最終回がこれになると思えないことなんですが、
それはまあこれからの放映を楽しみにしてましょう。
ハリケンジャーは逆に、TVのテンポになれてない大人にはついて来れないだろうという
圧縮ハイテンション型全編お楽しみ映画。
特に敵も味方も一緒に主題歌をうたうエンディングが楽しい。

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北浦嗣己 監督『劇場版ウルトラマンコスモス2THE BLUE PLANET』
鈴木清監督『新世紀劇場版ウルトラマン伝説』

前回の続きからでいうと、観客をはっきり意識している2本立て。
一見幼児向けのような「ウルトラマン伝説」基本的には歴代ウルトラマンの名場面集が、
やっぱ冒頭の初代ウルトラマンとかセブンの張りつけになってたりする場面でグッと来て、
しまったこれは子どもを連れてきたお父さん向けの映画だったのかと愕然。
「コスモス2」はお話としてはちょっと困ってしまった前作に比べはるかにちゃんとした映画。
中盤ウルトラマンでなくて怪獣も暴れない場面が続くのがちょっとだれるんですが、
その後舞台が北九州市になってからが個人的にはかなり満足。
関門大橋も若戸大橋も崩壊、小倉駅は爆裂し小倉城は粒子となって消えるのですよもう。
逃げまどう北九州市民、転んだ子どもを助け起こすと「ウルトラマンきてくれるんやろ」これだ!
思わず高樹澪さんまで「北九州が壊滅する……世界が崩壊してしまう!」
なんて北九州=世界に直結してしまっていやーそれほど大きな都市じゃあないですがと思いながら、でもオッケー。
極めつけは新日鐵を中心とした工業地帯での怪獣対ウルトラマンの激闘。
怪獣映画で北九州といえば「ドゴラ」や「ラドン」でちらっと出るくらいだった積年のうっぷんが晴らせて、
北九州出身者は必見の映画。ビデオでもいいけど。

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村井さだゆき脚本 今 敏監督『千年女優』


現実と虚構、記憶と妄想がごっちゃになり、
というコンセプトを聞いたときには筒井康隆っぽさを想像しました。
実物を見ると、場面転換の仕方とか回想場面を聞いてるはずのインタビュアーが
その回想の中に入り込んでしまったりというのがより筒井康隆っぽかったです。
演劇ではわりとよく見る技法、でも映像作品で見ることはあまり多くなく、
エンタテインメントで劇場用映画でしかもアニメでとなるとすぐに先例を思い出しません。
今監督はそのレイアウト能力は高い評価ですが、それだけではない全体と部分の計算、
緊密な脚本の構成との連携が上手くいってるからこそそういうことも成功するわけで。
矢継ぎ早に繰り出される日本映画のオマージュ、そのネタを連ねる作業がいかにも楽しそうで、
(例えば公式サイトでなくこちらとかこちらを見ると良くわかりますね)
でもその楽しさに溺れないでいるのはさすがで、小野坂昌也演じるカメラマンの存在が実にいいバランスですねー。
http://www.parkcity.ne.jp/~s-kon/index02.html
http://www.asahi-net.or.jp/~xw7s-kn/
主人公・千代子の少女時代役折笠富美子さんは、アフレコは「デジモンテイマーズ」より前だったのかな?
その熱演がいいんですが、20代以降の小山茉美さん、70代の荘司美代子となったときに違和感もなく、
高いレベルの芝居が聞けます。すっげーです。
そうそう、もう一人の主人公とも言える飯塚昭三さんがまた実に楽しそうに演じてらっしゃるのが
見てて楽しいところ。総じてうまいキャスティング。
うーん、もっといろいろ書きたいことがあるんですが、長くなりすぎるのでまたそのうち。
とりあえず、ある枠の中を想定した観客層でなく、一般を向いたアニメ映画が制作され、
きちんと評価されつつあるということを非常に喜んでおります。
ほかの例は「クレヨンしんちゃん」劇場版くらいですね。

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M・ナイト・シャマラン監督『サイン』

妻を失った男とその息子、娘が
この世ならざる事件に遭い、
家族の絆を取り戻していく。
舞台はほとんど一軒の家。
その映画はサ…………
サ………
サ……

『13(サーティーン)ゴースト』!

ホントに基本設定はにてるんです。ネタバレなので書けないところまでもうちょっと共通点もあり。
シャマラン監督の映画では『シックス・センス』よりも『アンブレイカブル』の方が好きな感じもするんですが、
今回のは、『13ゴースト』の方が好きかなあ。そういう人は多くないかもしれないけどね。

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清水崇監督『呪怨』

完成披露試写会に行って来ました。
ホントは、スタッフ向け初号試写にも潜り込ませてもらって作品は見てるんですが、観客の反応も見たくて。
とはいえ、基本的にマスコミ向けの試写なので、一般ではどうなるのかもやっぱきになります。
清水監督のデビュー作は関西TV制作でビデオ化もされてる『学校の怪談G』内の2本の短編。
角銅もその番組で短編アニメを作り、当時の清水監督にもミックスの現場で会ってます。
その時の清水監督の短編は、短さにも関わらずホラー映画好きな人たちの間でかなりの評判になりました。
オリジナルビデオ版『呪怨』1,2はなんとその時の短編の続きで、
これもビデオながら『女優霊』『リング』をも上なまる恐怖と評判をとり、ついに劇場版制作。
リメイクではなく、さらにその続編というもの。
もちろんそれぞれ独立してみられるようにもなってますが、
続けて相互の関連性を知った方が面白いので、
来年年明けの劇場公開までにビデオ版を見ることをおすすめします。
ただごとじゃない怖さ、忌まわしさ、救いのなさなので、そういうのが大丈夫な人だけね。

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ゴア・ヴァービンスキー監督『ザ・リング』

映画ファンサービスデーにちょうどよくというかなんというか昼間新宿で3時間時間があいたので、映画見に。
見るというよりはどれくらい日本版に近いかを確認しに、というのがほんとかな。
結果は、『ニキータ』の後の『アサシン』というか、なんかもう丸ごとまんまって感じでした。
原作版でなく映画版のほうにね。アメリカ版で追加された馬のシークエンスは別になくても、ってかんじだし。
出来は悪くないと思いますが、日本版見た人は別に見なくても良い映画ではないかなー。

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マーク・ペリントン監督『プロフェシー』

もう今週いっぱいで公開おわりっつーのであわてて駆け込みました。
実話を基にしてるということで『新耳袋』を映画化したような、
わけの分からないというか理屈の通らないようなことを無理に説明しないまま終わって実にい感じ。
『サイン』の10倍は傑作なのではー。
太古から存在した不可視の存在と電磁波との関わりについては
『デジモンアドベンチャー』をはじめるに当たっていろいろ裏で設定したこととも通じてます。
バンダイの設定とはちょっとはずれる話なんで、あまり表に出してないですが。
一見地味なようでいて、ちゃんとクライマックスは大盛り上げになるし、
だいたい冒頭のタイトルバックからして実に映画らしくて久々に大当たりでした。

原題『MOTHMAN PROPHECIES』とあるように、蛾のようにも見える謎の人物(?)が登場するわけですが、
羽のある人間といえば天使との関わりも当然気になるところ。
ただ、『天使』というとキリスト教的な神との関わりでしかとらえられなくなるので
ここではそれと区別するためにもモスマンで通してるんでしょう。

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クリス・コロンバス監督『ハリー・ポッターと秘密の部屋』

シリーズもの映画の2作目はダメになるというのが定説みたいにまかり通っていたことがあるんですが、
最近はそんなこといわれなくなりましたね。
『SW』『ターミネーター』『エイリアン』のようにむしろ2作目のほうが好き
というということも多いのだけれど、
それでも『エクソシスト』『インディ・ジョーンズ』も2作目の方がいいのだ、
というと変な顔されることもあったなあ。
2作目のどこがいいのかというと、その世界を定義するための1作目に比べて、より独自性が強まるところです。
1作目の物語というのはある程度借り物、世界中に色々あるお話のどこをどう持ってきて
物語をどう組み合わせて定型にはめ込んでいくか、その手際がポイントで、
その1作目で定着した世界律から発生する物語が独自に発展していくのは2作目。
見たことのない物語というのはそこから始まっていく。
そうするといわゆる定型からはみ出したものがでてきて、そこがすきなんですが。
『ハリー・ポッター』1作目は原作も映画も「見たことのない世界に連れていってくれる」ものではなく、
誰もが知っている「魔法」についてのいろんな事柄を、うまくまとめたところが良かったんだと思います。
ありそうでなかったもの。知ってるはずのことだからワクワクするというのがあったのでは。
で、2作目でその独自性が強まるかというと、そうではなく。
実はちょっとがっかりしたのはあまりはみ出したところがないところ。
映画としては前作よりも良くできてるし、主役三人組も絶好調で好きなんだけど、
ちょっとのがっかりというのは単に2作目という事ではなくて
普通で言えば「三部作の二作目」に値するものを求めてたからなのかなあ。
今作でいえばギルデロイ・ロックハート(ケネス・ブラナーの芝居が最高!)や
ルシウス・マルフォイがややそういう部分で楽しめました。
七作で完結するのならそういう要素は四作目あたりででてくるのかもしれない、気を長くして期待。
あ、一応原作は家族が読むので新作まで買ってきてあるんだけど、
自分では映画の公開前に読むことにしてるんで。

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