時々思いついて書く映画の感想

2001

01/08 『ゴジラVSメガギラス』
01/28 『弟切草』『狗神』
01/30 『クリムゾン・リバー 深紅の衝撃』
02/02 『13DAYS』
03/13 『アンブレイカブル』
04/25 『バンパイアハンターD』
05/06 『ハンニバル』
06/12 手塚治虫原作『メトロポリス』
06/13 ハムナプトラ2 黄金のピラミッド
06/22 サム・ライミ監督『ギフト』
08/06 ジュラシックパークIII
08/10 ジョン・ブアマン監督『テイラー・オブ・パナマ』
09/14 片渕須直監督・脚本『アリーテ姫』
09/16 坂口博信監督FAINAL FANTASY
11/21 滝田洋二郎監督『陰陽師』
12/04 クリス・コロンバス監督『ハリー・ポッターと賢者の石』
12/29 佐々木浩久監督『血を吸う宇宙』


リストに戻る
2000年の感想にもどる
2002年の感想に行く

『ゴジラVSメガギラス』

巷での評判が、「脚本特に科学考証は最低だが演出はよい」
なんのこっちゃとおもったらなんとその通りでした。
面白さで言ったらリアルタイムで劇場で見たゴジラ映画の中では一番だったかも。
でも今回の面白さは、ウルトラもののそれだったような気がします。
誰も変身しないけどね。あ、これはけなしてるのではないので。

『弟切草』『狗神』

高校の後輩でゲームデザイナーの柴尾くんが脚本協力したという『弟切草』
どんなものかと多数で見ることになりまして、行ってまいりました。
元々がゲームで、ゲームっぽさを出した映画にしたいという意図で
彼が必要だったようです。ゲームの方の脚本はかの長坂秀桂氏なので何だか変な感じ。
パターンとしてはありがちな古びた館に行った男女二人が怪奇な事件に遭遇し、
というものでどう新味を見せるかが興味あるところ。
映像は『ブレアウィッチ』意識してますかね。
面白いこともいろいろやってるのですが、どうも怖くはないので、
ホラーを見慣れてない人ならいいかも。
日常(この映画の中ではゲーム会社?)がしっかり描かれてないせいかな。
同時上映の『狗神』はわりと土俗的な題材だけに日常はきちんとしてるのですが、
ラストのブレイクがもう一歩な感じでした。
天海佑希さんにはもっとぴったりした役のものを期待したいところ。
二つとも『ブレアウィッチ』よりは良かったでした。

トップに戻る

『クリムゾン・リバー 深紅の衝撃』

何だかデジモン02の主題歌『ターゲット〜赤い衝撃』に似た副題が付いてますが
無関係(当たり前だって)。
ジャン・レノとヴァンサン・カッセル主演のサスペンス。
この二人も映像も音楽もいけてます。みててだれるところがない。
フランス映画なのでハリウッドほど押しつけてくるわけでもない。
とにかくほとんど先が読めないです。
もうちょっと女優さんが美人でもいいような気もしますが(^^;)
ストーリー的にややわからないとこもあったので、あとで原作よんでみよっと。
あんまり宣伝されてるほど大作って感じでもないので、
そういう期待をしないでみるといいですね。

『13DAYS』

「クウガ」最終回では平和な土地の象徴としてロケされたたキューバも
40年近く前はこんなに大変だったのだ、というお話。
このとき誰かがほんのちょっと間違えれば核戦争が起きていた、
ほんとにいつどうなってもおかしくない状況だったという実話が
面白くないわけもないです。が、そういう題材の映画こそ1カットでも
「あ、これって本当の話じゃなくて映画だよなー」と思われたら負けな訳で、
実に丁寧に作ってます。おかげで2時間半もあるのにちゃんと見てられます。
ケビン・コスナーも久々に悪くないんですが(主役じゃないからか)
でもあの声はやっぱよくないですね。
先日夜中にTVでやってた『タワーリング・インフェルノ』でも
スティーブ・マックィーンがいまいちポール・ニューマンに
負けた感じがしたのはやはり声のせいではなかったかと思ったところでした。
吹き替え版で宮部昭夫さんと川合伸旺さんだったらそんなことは感じなかったのですが。
コスナーも津嘉山正種さんの声でならもっと見たいかも。
あ、この映画U2が見事にとんでるのもポイント高し(^-^ゝ。

トップに戻る

『アンブレイカブル』


『シックスセンス』の監督、主演者で送る第2弾とは
もう皆さんご存じの通り。ネタバレな事がかけないのも同じですが(^^;)
文学的手法でコミックな題材を描くというか、
現代におけるヒーロー像ってなんだろう、
ということを考えさせる内容でした。
ある意味『クウガ』やデジモン02とも通じるものがあるなあ、と。
これ以上は何とも説明しづらいので、
見てそう感じるところがある人が居たらいいかな。
映画としてとてもいいと思うのだけど
万民にお勧めできるかというとためらう作品。

『バンパイアハンターD』

いまだなぜか忙しいんですが、これだけはと見てきまして。
見る前からわかっちゃあいたんですが、もう空前絶後の傑作で、
この調子で川尻監督にはどんどん『D』の映画を
2年に一回くらい作って欲しいですね。
日本語版も早くみたいなあ。
マイエルリンクとか、誰が演じてるのか気になって仕方ありません。

トップに戻る


『ハンニバル』

前作『羊たちの沈黙』は、たとえば最初にクラリスがレクターに会いに行く場面の、
なんとも言えない緊張感がどこから来るのか不思議なくらい素晴らしいものでしたが、
今回はそういう部分がいっさいなし。
脚色は見事だし撮影は綺麗だしロケ場所もセットも言うことなく出演者もすばらしい。
でも、前作や原作にあったデモーニッシュな感じが払拭されてるのはどういうわけなんでしょうか。
監督がアルジェントだったら品は落ちてもとてつもなく禍々しいものになったことでしょう。
見たいかというと、別問題ですが(笑)
むしろ見るんだったら京都映画のスタッフで時代劇でリメイクを。
レクター=山崎努、ヴァージャー=津川雅彦、パッツィ=蟹江敬三、クレンドラー=佐野史郎でどうだっ!
あ、クラリスが思いつかん。

トップに戻る

手塚治虫原作『メトロポリス』

う〜〜ん、確かに手塚マンガと言うより、
フリッツ・ラングの『メトロポリス』のリメイク
といった方がイメージ近いのかなあ。
とにかく作画も美術ももの凄いレベル、
CGの使い方もよく、この1カット作るのに
並のTVシリーズ1本分くらいの労力がかかったのではないか
というカットが目白押しに出てきて圧巻。
主役のケンイチ、、ティナの声もよいのですが、
ロックは悪くはないけどもっといい人がいそうな気もするし、
じゃあ誰がいいかと言われると困ってしまいます。

トップに戻る


ハムナプトラ2 黄金のピラミッド

前作ほどの馬鹿さが足りないとはいえ、それを補うかのような物量作戦、
徹頭徹尾何にも考えることなく楽しませようとする態度が
これほど貫かれた映画も実はそう多くないのかも。
一見正しいありがちな続編のようでいて、
前作で成立したカップルが子どもまでもうけてるというのも、
あまり見かけない設定でわ。
映画は2作目がいい主義なので(笑)これも当然支持です。
いい2作目『帝国の逆襲』『エイリアン2』『魔宮の伝説』
『エクソシスト2』『ハイランダー2』ほか沢山
よくない2作目『ハロウィン2』『ハウリング2』ほか沢山(i_i)

トップに戻る

サム・ライミ監督『ギフト』

いやあ正直な話、キアヌ・リーブス以外あまり知った役者さんが出てるわけではなく、
後でパンフ見ると結構豪華なキャストなのね、とわかりはするものの
画面はそんな豪華ではなくかなり地味な映画。
たとえば、『ホワット・ライズ・ビニーズ』あたりと比べても地味。
サム・ライミが貧乏性だとかそう言うわけではないですね、
『シンプル・プラン』以降抑制の利いた演出をするのが
これが円熟というものなのかも。
なんつって、サム・ライミの映画をスクリーンで見たのは
『XYZマーダーズ』以来かなあ(^^;)
これ以上内容については触れません。
いい映画でした。
さて、往年のホラー映画の名手の一人
トビー・フーパー(タブ・フーパーの方が原音っぽいとか)
最近どうしてるのかと思ったら、
『霊能者アザーズ』今回の放映分の演出してましたね。
こちらがまた毎回はずれなしお勧め番組で、
13回しかないので残り見逃さないようにしなくちゃ。


追記
TVシリーズの『霊能者アザーズ』は、毎回の工夫、レギュラー6人の能力と使い方、
さすがはアメリカのTV番組でそういうところ実に上手いのでした。
一見バッドエンディングなラストも、アメリカTVシリーズはクリフハンガーで終わるのがわりと常道だそうで。
ホラーとしてもいい感じの後味の悪さでした。
2002年公開の映画『アザーズ』とは何の関係もないのですけれど。

トップに戻る

ジュラシックパークIII

恐竜がそこにいる、というのがそれだけで驚きだという段階は
とっくに通り越してるところで作られてる映画。
お話上からも「恐竜の国に迷い込んだ人間」という立場ですからね。
その、お話の部分はもうちょっと工夫があってもいいような気がしますが、
恐竜そのものの見せ方、存在感はまたよくなってます。
あ、でも1作目はみても2作目はみてないや(^^;)
とりあえずプテラノドンの飛ぶ姿だけでも素晴らしいです。
パンフレットのスタッフ紹介もわりと丁寧でよろしいかと。


ジョン・ブアマン監督『テイラー・オブ・パナマ』

必ずしも全てみているわけではないのですが、
この監督のものにはずれはないのではないかと。
で、また今回は英国人らしい底意地の悪さが炸裂する傑作でした。
左遷された英国情報部員役にピアーズ・プロスナンってところからしてもう。
ボンドものもそうですが、ある種のスパイものがもともとは
大人の童話だったことを確認。
もう公開終わってますが(^^;)

トップに戻る


片渕須直監督・脚本『アリーテ姫』


東京都写真美術館の公開は今日までですが、以後地方公開も予定されてるようです。
なんとかぎりぎりで見に行ってきました。
宮崎アニメやフェミニズム、原作との関わりは
他所でもよく言及されてるとこなのでここでは取り上げませんが、
やりようとしては50分でもすむところを2倍の時間かけたからこそ成立する
あの終わらせ方というのは大成功ではないかと。
前半、燭台を持った人が移動すると光源も移動するところがいかにも
片渕らしくて個人的には懐かしかったです。




トップに戻る

坂口博信監督FAINAL FANTASY

おお、珍しく公開初日で映画を見てきました。
この際フルCGかどうかというのは映画としてどうでもいいことで、
単純に映画としてどうだったかというとなんというかちょっと惜しい、
というか、すごくいいんだけどもうちょっとというか、
じゃあ駄目駄目かというとそうではなく好感のもてる出来。
でも、FAINAL FANTASYと名乗るからには
赤魔導師やら召還獣やら出てきて欲しかったですね。
ヒロイックファンタジーが剣と魔法の物語といわれるのに習えば
ゲームのFFシリーズは科学と魔法の物語、と思ってますから。
今回はほとんど科学の方だけで終わってしまってそこが残念。
是非次回作を。

滝田洋二郎監督『陰陽師』

野村萬斉の安部晴明は素晴らしいを通り越して超絶的。
その所作、発声に狂言師としての天分を生かし切って、動きの一つ一つ、
あるいはじっと止まっているだけでも見とれます。
対して確か日舞の名取だった真田博之の動きも見事、
この二人の対決となるクライマックスはその動きだけでも1800円の価値がありました。
でもホントに凄いのは晴明のいかがわしい部分まで演じて見せたところでしょう。
是非続編が見たいのですが、源博雅はもうちょっと逞しい感じでもいいような。
コミック版は読んだことないんですが、あんな感じなんですか?
蜜虫は今まで見たなかでも最低。NHK版の本上まなみがまだよかった。
一番よかったのは、舞台で見た竹内順子版です。
キョンキョンもちょっと老けてます。CGの浮かない絵作りも希望。

トップに戻る

クリス・コロンバス監督『ハリー・ポッターと賢者の石』

子供と一緒になので、吹き替え版で見ました。
原作を読んでないとちょっと詰め込みすぎのように思われるかもしれない展開も、
読んだ人にはこれでもいいわけで、それよりもその読者のイメージを果たして
その通りにスクリーンに映し出せるのかどうかがこの映画の勝負のしどころ。
そしてそれはほぼ完璧で、何しろ2時間ちょいにおさめるためにほんの少しは
省いたとはいえエピソードの改変はほとんどなく、キャストもビジュアルも
原作そのままという奇跡的な映画。
これが10年前だったらここまでは出来なかったんじゃあないかな。
その意味では今この時代に書かれたことが幸福な原作でもあるわけで、
予告編で流れてた「指輪物語」も素晴らしく原作イメージの映画なんですが、
そちらは何十年も待ってたわけですね。
吹き替え版のキャストもなかなか楽しかったのですが、
子役はやっぱもうちょっとうまくてもいいのではと。
ダンブルモワ校長に永井一郎さんは適役、リチャード・ハリスも適役、
なのにリチャード・ハリス=永井一郎は個人的には違和感が(笑)。
ジョン・クリース、ロビー・コルトレーンには納谷吾郎、玄田哲章でいってほしかった、
なんつってもまあ大した問題じゃないですね。アラン・リックマンに土師孝也さんはぴったし。
クリス・コロンバスの監督作『ホームアローン』はあんまり好きじゃあないのですが、
脚本作の『ヤングシャーロック・ピラミッドの謎』は評判はいまいちだったけど好きな映画で、
やっぱりイギリスは雰囲気いいなあと。

トップに戻る

佐々木浩久監督『血を吸う宇宙』

『発狂する唇』のスタッフが送る世紀末、あ、もう新世紀になりましたが
ともかく世も末ムービー第2弾。テアトル新宿で単館レイトショウ中。
前作の主なキャストも大体同じような役でほぼ総出演、
さらには最近のホラー映画といえばこの人達といわれる
黒沢清監督や中田秀夫監督までが役者としてでてます。
「デジモンテイマーズ」にもSIBUMI役でおなじみ諏訪太朗さんも
短いですがインパクトある役で出てます、
だからといって無理に見ることはお勧めしない映画ですが(^^;)
前作であれだけのことをやった以上期待もプレッシャーもあったのではと思いますが、
明らかに上回る馬鹿さ加減でした。
これ以上のことはなんともうまく表現できません(笑)
前作の主役、三輪ひとみさんも短いですが出てて、
日替わりイベントで佐々木監督、一瀬プロデューサーとトークもありました。
くじ引きで三輪さんお手製のパイが5つ。今年はくじ運がまるでなくて残念。

トップに戻る

リストに戻る

2002年の感想へ